試しにアニソンを聞いてみる。

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今だから言う、アイカツ!~アイカツスターズ! までの楽曲に思う事

 スターズが感動的な最後を迎えてから半年程経ち、そろそろほとぼりが冷め始めた頃だろうという事で、初めて聞いた当時思ったことや今思っていること等をまとめていきたいと思います。

 

 まず時系列を簡単にまとめます。記憶違いがあるかもしれませんので、もし間違い等を発見された方はお手数ですがツイッターにてご連絡頂けると大変助かります。
・アイカツ!前期(星宮世代……スターライト学園所属星宮いちご、霧矢あおい、紫吹蘭、ライバル校ドリームアカデミー所属アイドルなど)

・アイカツ!後期(あかり世代……大空あかり、氷上スミレ、新条ひなきちゃんなど)

・アイカツスターズ!前期(ゆめちゃん世代……虹野ゆめ、桜庭ローラ、早乙女あこ、香澄真昼+先代S4……白鳥ひめ、如月ツバサ、二階堂ゆず、香澄夜空等々)

・アイカツスターズ!中期~(上記メンバーに加え、ビーナスアーク所属のエルザフォルテ、花園きらら、騎咲レイ、双葉アリアの面々)

 

 以前記事にしたこれを元に曲紹介コメント? を一曲ずつ書いていきます。

※当ブログでは「歌にする」「曲にする」等のテクニカルタームを以下のように使い分けています。

曲にする、形にする……譜面通りに曲を歌う事。

歌にする、音源にする……「曲がある程度譜面通りに歌われていること」を前提に、アクセントやリズムに歌い手自身の解釈を加えて、人間性のある歌として仕上げられること。

 要するに、歌にするは曲にするの上位概念ぐらいに思っておいてもらえれば記事を読むのに十分だと思います。 

 

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・1,2,sing for you……アイカツスターズの第1期オープニング楽曲。作中でロッカーを志向する(?)ことになる主人公格キャラ桜庭ローラとスターズの主人公オブ主人公ズ・ゆめちゃんが(恐らく)メインで構成された楽曲。残りの二人の歌い手はあこちゃんと真昼ちゃん。オケの力強い響きとは裏腹に、歌唱が平易で形にしやすく、また形にさえなれば自然と歌にもなりやすい、非常に歌い手フレンドリーな一面を持つ楽曲。ロックがやりたいならこれぐらいの曲は完璧に仕上げたいところだが……

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・8月のマリーナ……アイカツスターズの主人公格キャラである早乙女あこちゃんの楽曲。中の人はニコニコで歌い手をしていたこともあるという逸話があるが、たしかに作られた声がとても上手くコントロールされていて、機械機械した嘘臭さがなくまたかわいらしい仕上がりになっている。

 ラスサビの出だしなど、たまに素に戻る時の発声には丁寧で美しさがあり、非常に潜在能力のある歌い手だと感じさせられる部分もあるものの、基本的には全体として可愛く作られた声が綺麗に歌に収まっているという印象の方が強いか。

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・薄紅デイトリッパー……初代アイカツらしい手堅さと、アニソンらしい露出の多い演出が並存した楽曲。アイチューブとCDにはアニメ中に登場したさくらちゃんとみやびちゃんのヴァージョンと違う音源が入っている。二人の歌い手の区別が少しつきづらいものの、手堅く小器用に歌う方がみやびちゃん、豊かな声質ながら少し不安定さの残る歌唱をする方がみほさんの恐らく珠璃? という感じで、画面の向こう側の皆さんも聞き分けることが出来る、かも……? 因みにパート分けも二つのバージョンで若干異なるので、マニアックな趣味を持つ人は比較してみるといいと思う。

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・so beautiful story……アイカツスターズの初期のエンディング。アイカツシリーズでは珍しく裏声を派手に使わされる点が特徴的で、アニメ劇中では海外へと旅立つ友人を見送る大事な舞台で披露された際、サビの最も高い音でゆめちゃんの喉がバーストしてしまい歌唱続行不可能になるというイベントがあったりした。歌唱はゆめちゃんと、格上先輩キャラであるひめちゃん先輩によるものだが、正直一通り聞いた印象ではゆめちゃんの方が有意にうまい気がしてならない。また初見だと、なんだこのふにゃふにゃしたツインボーカルは! と驚かされた、正直マッチアップの悪さを感じさせる部分もある楽曲。

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・ドラマチックガール……個人的なお気に入り。勢いがあり、歌詞のストーリーも非常に明快であり、歌詞と歌との間に強固な一貫性があるなど、シンプルながらなかなか飽きの来ない一曲。もちろん歌唱的な観点から言っても、メロディに起こすという意味でも表現に落とし込むという意味でも非常に平易な歌い手フレンドリーな楽曲。

www.youtube.com・スイートスイートガールズトーク……インストがジャジーな響きで他に類を見ないおしゃれな一曲。サビの、リズム隊がドタバタ(?)するところとピアノのだっだっだだー地帯が露骨に聞かせにきている。劇中歌ではないものの、ストーリー的には、スターライト学園のトップを意味する歴代のスターライトクイーン達が一堂に会して歌う特別な歌でもある。また、形にするだけなら大して技術は必要ないのだが、Aメロ、Bメロ、サビとどこを見ても歌にするのに器用さが必要で、アイカツの音楽の中では相対的に歌にするのが難しい楽曲であると言え、この曲を歌えこなせていると言えるのは4人の中だと美月ぐらいのものだと思う。

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・ハッピィクレッシェンド……スターライト学園とドリームアカデミーのメインキャラクター一同という大所帯で歌う歌。大所帯であるだけに少人数や単独で歌う歌のような不愉快さはない反面愉快な仕上がりにもなりにくい、と思う。歌としては形にするのはそこそこ平易ながら、裏声の使い方やアクセントの付け方を意識しなければ歌になりずらい、歌として仕上げるのは相対的に難しい楽曲だと言える。ただ、この大所帯ではそうした細かい部分は感じ取りづらいだろう。

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・Lovely Party Collection……初代アイカツのあかり世代最後のエンディング。歌にするのに小器用さが要求される所があり、ただ歌うだけだと歌にならない可能性すらあるものの、アイカツシリーズの楽曲に通じる傾向としてそこまで強烈な難しさはない当たりがやはり作編曲のプロの技という感じ。

 

~一区切り~

 

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・タルトタタン……あかり世代の主人公格キャラ、氷上スミレの楽曲。非常によく整っていて嘘臭さがない音源に仕上がっており、聞いていて安心感があるが、それ故の地味さを感じさせるところがないではないあたりがメジャーポピュラーミュージックシーンの難しさか……? とりあえず、スミレちゃんの可憐なイメージを壊さない範囲でロリゴシックの雰囲気をよく踏襲した楽曲だと言えると思う。間奏がおしゃれ。

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・Dreaming bird……アイカツシリーズ史上最大の問題児としてやたら神格化される傾向がある曲。アイカツスターズ!に登場する準メインキャラである白銀リリィの持ち歌で、6拍子、3拍子、4拍子、7拍子、4拍子と複雑な変拍子が絡み合いながらサビへと収束していく感じが非常に良さみが深く、また、楽曲の複雑さとは裏腹に(覚えるところまで行けば)曲にする難易度、歌にする難易度共にかなり抑えられており、歌唱が容易なのも非常によく出来たポイント。個人的聞きどころは2番のサビ直前のボーカルピアノ以外停止地点と大サビのピアノ。

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・お願いビーナス……正直若干空回り気味な感じのするメタル。歌唱部分は悪くないがセリフ地帯が……設定としてはゴスロリックというドレスブランドの雰囲気をよく踏襲したダークな部分のある楽曲なのかもしれない。2番のサビの歌詞のふぁいあーが個人的に気に入っている。

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・キミをロックオン……歌唱に表情なるものがあるとしたならば、この曲は今回取り上げた楽曲の中では他にないほどいい線を行っている楽曲。ローラとリリィという巧者二名による楽曲なのである意味納得感があるが、マッチアップの良さといい、とにかくボーカルトラックの出来が素晴らしい。確かアイカツスターズ!のなんかのドラマ会の挿入歌(筆者は鶏なので三歩歩いたら忘れる)。

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・真夜中のスカイハイ……アイカツ初代星宮ジェネレーションの伝説のアイドル枠である神崎美月の楽曲。神崎美月というキャラクターのアニメ内での役割の重さに相応しく、他のものと比べて聞くとボーカルとしての仕上がりは一回り上だと言える。他のものが「無難に整えた感じ」だとするとこれは「あまり整えなくても形になっちゃった」感じ。しかし、人によってはこなれているが故の地味さを感じるかもしれないあたりに、ポピュラーの難しさやCD音楽の難しさがあるなーとも感じさせられるところがある。

(自分で探してね!)
・stranger alien……近未来的なデザインが魅力のブランドの雰囲気がよく踏襲されている曲。トレンドが私に追いつく。アイカツ初代星宮世代の主人公格キャラ、霧矢あおいの歌。歌唱は無難オブ無難で、デジタル感のある楽曲に乗っけるのに派手すぎず無個性すぎず、必要十分な感じでまとまっている。

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・夢のレセプション……神崎美月と星宮いちごの、歌唱の在り方的には凸凹なコンビによる楽曲。星宮は作られた声が個性的で、美月は自然な歌唱による純粋な力という感じ。技術的にも勿論、非常に歌い手としてのあり方に差がある両名の歌が共存しているのは異文化コミュニケーション感があるものの、不思議とさほど違和感はなく、楽曲としてよくまとまっているように思う。形にするのにも歌にするのにもやや難しい部分があるが、特に表現に落とし込むのが難しく、いちごちゃんは素晴らしい解釈でこの楽曲を歌っていると思う。

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・Forever dream……でんぱ組からの参加となったりさによる、アイカツスターズ!史上最強のラスボス格キャラ、エルザ・フォルテによる歌。声質には見るべきものがあり、この楽曲の仕上がりで言えば必要十分なものが出てきていると思う。また、表現に落とし込むというレベルで非常に完成度の高い音源になっているものの、歌い手の技術については個人的には疑問符を付けたい。そもそもこのキャラの歌は劇中で3つ出てきたが、あからさまに弄られているbonbon voyageを除けば両方とも極端に平たく、あくまで個人的見解だが、それらがエルザの技術的問題を隠すための作りだとしか思えない節があったりする……。

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・precious……初代アイカツ星宮世代のエンディング曲。神崎美月メインの楽曲。地味さはあるが、ボーカルとしてはほぼ文句なしの仕上がりで、聞く楽しみが分かれば聞くだけでも非常に得るものの多い音源だと言えると思う。アイカツの歌は歌唱的に簡単なものが非常に多いが、これは曲にするのにも歌にするのにも最低限技術が必要で、ただメインメロディをなぞるだけでは売り出せるような歌にならないか、酷ければ曲にならない可能性もある、歌い手の解釈に曲の完成度が左右されやすい楽曲。

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・MY SHOW TIME!……無難さでは他の追随を許さない、ある意味完璧な仕上がりの楽曲。短くシンプルな曲の中に歌い手の魅力が詰まっている。初代アイカツあかり世代の準メインキャラ黒沢凛の持ち歌。設定上はダンスが得意で相対的に歌が苦手(?)らしいが、設定は設定として、歌唱の基礎的技術、器用さ、表現への落とし込み方などいろいろな角度から見てアイカツの歴史の中でもかなり素晴らしい出来の楽曲だと思う。

 

~一区切り~

 

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・未来トランジット……アイカツスターズに出てくる香澄姉妹の姉の方の歌唱。妹は主人公と同学年のメインキャラで、姉は長年に渡り妹の目標であり続けたりと、本編では姉妹の間で色々とドラマがあった。歌詞は個人的に好みではないものの、音源としては歌い手の持てるものを最大限引き出した感がある。中の人であるみほさんの潜在能力の高さもだが、恐らくこの歌い手からこれ以上の音源は出てこないだろうと感じさせる非常にレベルの高いところでまとまりの良い音源。

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・約束カラット……曲にするのも歌にするのも極めて簡単で、歌としても曲としても地味だし、個人的には好きだけどあまり他人には勧められない気がする一曲。強いて言うならサビがツインボーカルの魔法によって無難でありながら聞きごたえもある仕上がりになっている、と言えるかもしれない。あかりジェネレーションの最後の最後に登場した大地のの、白樺リサ両名による楽曲。

www.youtube.com・lucky train……あかりジェネレーションの最後のエンディング。あかり、スミレ、ひなきの主人公格3キャラクターによる歌唱。(PVは大地のの、白樺リサによる歌唱)歌唱的にはこれ以上なく平易だが、サビの独特のハモらせ方、繰り返される歌詞や、オケにもユーロテクノ的(?)な聞きどころがあり非常に味わい深い楽曲。それにしても、こうした渋い楽曲が幼女先輩達にどう受け取られたのか……。因みにようつべの再生数では同時期の他楽曲を千切っている。

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・ロンリーグラヴィティ……曲にする上で使わされる声域も狭く、歌い手に無理な動きをさせることが殆どない、また歌として仕上げる上でもアクセントの位置が自然と分かりやすく非常に歌い手フレンドリーな作りをした、歌唱的に平易な楽曲。それ以外に歌唱的な意味ではさほど見るべきところはないが、個人的なお気に入り、一押しの楽曲。特に歌詞のストーリーが好き。2番bメロのメインエンジン〜の下りが大変良さみが深い。

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・bonbon voyage……アイカツスターズ!のエルザ登場後のエンディング。無茶苦茶難しい。(当社比) AメロBメロ通じて難しさがあるが、特にサビの裏に抜けていくところに関しては絶対自然にはこうはならないだろうという感想しかない。ただ、形にするのは難しいが、難しくてギリギリな分、歌にするのは歌えさえすれば簡単なところもある。難しさ故にある意味歌い手の個性が現れづらいと言える楽曲。

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・stardom アイカツスターズのOP。ブラスや鼓笛の楽器選びがマーチのような感じで、明るさ、前向きさが印象的な楽曲。主人公のゆめちゃん達が学園の4クラスの首席であり、四天王的な立ち位置であるS4の席にたどり着いた後のOP楽曲であり、そのためか、夢はいつか叶う! 私達みたいに! という非常に前向きなメッセージが込められているようにも感じられる一曲。

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・good morning my dream……前曲からチクタクというリズム(?)繋がりの楽曲。初代アイカツあかり世代のエンディング。歌唱中の余裕に裏打ちされた非常に楽しそうな歌唱が聞いていてとても微笑ましい一曲。やや地味な印象もあるが、曲の随所に散りばめられた演出が非常におしゃれで聞くほどに発見がある曲。

 

~一区切り~

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・One Step……この楽曲が登場した背景は説明がやたらめんどくさいので別の機会に譲るが、曲調も歌詞もどことなくサッカー感のある楽曲。

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・angel snow……曲を聞くだけで季節感が伝わってくる非常に素直な仕上がりの音源。アイカツ関連楽曲の中では相対的に難しさがあり、歌い手としての力量がないと歌にすることはおろか形にすらならない気配があるものの、それを全く感じさせない歌唱的なまとまりや一貫性があり、嘘臭さが一切ない歌唱的に優秀な音源になっている。3分間の中に沢山のエピソードが詰まっていて、コミカルな曲調の中にロマンティックさも内包した一曲。

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・はろー! Winter Love♪……あかり世代3主人公による楽曲。どこかで聞いたことがあるような既視感を感じさせる楽曲。リズム的に平易で非常にわかりいい歌唱的な意味でも優秀な楽曲に、きわめて妥当が歌が付いて綺麗な曲になっている。

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・ハートがスキップ……どきどきーモード〜

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・トキメキララン……良くも悪くもアイカツらしい楽曲。露骨な派手さがない代わりに小さくよくまとまっていて上品な作品。様々な変化を繰り返すハモりのパターンがラストサビのソロパートに収束していく感じが個人的にお気に入り。歌唱的には形にするのは優しい分歌にするのに一工夫必要で、歌い手の解釈次第で仕上がりが大きく変わりそうな雰囲気を持った曲。

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・リルビーリルウィン♪……あかりジェネレーションの3主人公による楽曲。マーチ的なノリの中に元気のいい管楽器が混じってまさしく聞き手に行進しているような印象を与える楽曲。JPOPにもアニソンにもないような感じがとても目新しい。リズム的に非常に解釈が平易だが、アクセントの付け方が小刻みな分、その平易な解釈に歌唱を追いつかせるのがちょっと難しいところがあるかもしれない、歌唱的にも少し他とは違うところのある楽曲。

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・右回りwonderland……1番のサビ以降の展開が面白く、聞けば聞くほど納得感のある一曲。付点っぽい? リズムのスネアがいい感じ。歌唱から聞くと、いちごちゃんと蘭というやや癖のある二人の歌い手をちょっとテクニカルなところのあるこの楽曲に強引にまとめに行ったかなという印象を受けるものの、十分商業用として通用するクオリティが保たれている。

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・ヒラリヒトリキラリ……初代アイカツ星宮世代のエンディング。ユニゾンの魔法と、アニソンにおけるストリングの代表的な使われ方が体感できる、メロディアスでありながら派手過ぎずよくまとまった楽曲。大所帯での歌というものが単独や少数での歌とどう違うか、ある意味とてもわかりやすい。歌唱的にはこれも平易で、勢いがあれば形にも歌にもなりやすい素直さがある。

 

 一部楽曲に順序の変更や抜けがありますが、以前作ったリストを再編集した結果この形に行きつきました。

 かなり長大な記事になってしまったので、後半はまた今度にします。お付き合い下さりありがとうございましたm(_ _)m

 

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