試しにアニソンを聞いてみる。

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アイカツフレンズ、50話までを見終わった感想(楽曲など) フライング版

※完全版が上がりました。

・アイカツフレンズ、50話までを見終わった感想(楽曲など) 完全版 - 試しにアニソンを聞いてみる。

 

 まだ50話まで終わっていませんが、曲は一通り出尽くした感があるため、とりあえず楽曲レビューを兼ねてここまでを振り返ってみようと思います。どうぞよろしくお願いします。 

 

 個人的に思い出深いのは、ピュアパレット活動休止のシナリオです。あの緊張感は正直とても女児向けアニメとは思えませんでした。二人の関係を見直す、そして再構成して絆を深めるためのエピソードとして大変よく機能していたと思います。あのエピソード無しでは、あのダイアモンドフレンズカップの結末は導くことが出来なかったことでしょう。

 後は42話のダイアモンドフレンズカップ決勝ステージ直前における、カレンさんとミライさんの「次は二人の番です」「奇跡を見せてね!」という言葉でしょうか。あの重み。そしてライバルの背中を押す自信や気丈さ。去り際のセリフもアイカツに対するそうしたあの二人の姿勢がよく現れた、本当に素敵なものでした。あの二人は本当に、ピュアパレットにとっての先輩格キャラクターにふさわしい存在ですし、これからもそうあってほしいものです。

 お次は44話の男サブキャラーズの活躍。三人ともそれぞれのバックボーンがうまく生かされた演技で見ていて引き込まれましたが、何よりもその中心にいるみおちゃんが可愛すぎでした。

 

 

 

~ステージパート~

 ここでは1話から50話の間に出て来たステージについて、一つ一つ軽い考察を加えながら振り返っていきたいと思います。

 私の専門とする歌唱に関する考察がメインになるため、一話からという時系列の順番ではなく、フレンズ(ユニット)ごとに各曲を分類しながらまとめていきたいと思います。

※テクニカルターム

・歌の力…悲しい事に「歌唱力」という単語が手垢に塗れてしまっている上に、やや限定的な意味合いに傾倒しがちな現状があるため、歌唱力という言葉の代替案として、また総合的な能力であることを示唆する目的で、当ブログではこの単語をよく使っています。

・歌にする… ざっくり言えば歌として完成させることには、とりあえず歌う、きちんと譜面通りに歌う、フレージングや解釈を含めて自分の歌として完成させるなどの段階がありますが、この言葉が意味するのは最終的に音源にするレベルの、フレージングや解釈込みでの歌唱難易度です。

 

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・ピュアパレット

歌の力:あいねちゃん★★★☆☆ みおちゃん★★☆☆☆

歌唱上の二人のマッチアップ(相性):まずまず

 筆者の記憶が確かなら、本編では白百合姉妹と並んで最後の方に組まれたフレンズです。主人公二人によるフレンズである分、フレンズが組まれるまで、そして組まれてからのエピソードには事欠きません。

 あいねちゃんは豊かな声質に裏付けられた真っ直ぐな歌が特徴的です。技術的には恐らく声優としての技量よりも歌の力で選ばれたのだろうなというような、ボイストレーニングを長年受けてきた人に近いような、綺麗な発声に基づいて構成される歌が魅力でした。

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 アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『ありがと⇄大丈夫』をお届け♪

歌としてのまとまりの良さ:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★☆☆

振付:やや難しい

 この歌にはこの歌い手しかいない、と思わせるような説得力のある歌唱と構成です。反面、振付に関しては、Bメロ最終盤の「行ってらっしゃいと空の下」のフレーズの、回転しながら歌う箇所や、「連れ出したら新しいはじまり」のフレーズの、ロングトーンの最中にステップの踏み切りを持って来る動作が、再現性という意味ではやや難しいと思います。歌を歌うという基礎的なところからしっかりと振りが考えられていた無印アイカツ及びアイカツスターズとは逆の、「振りの先行したダンス」がやや使われがちかなと思います。

 これはあらゆる振りに言えることですが、発声と同じタイミングではじまる振り程合わせやすく、また、滑らかに移り変わるような振付の方が発声的に無理は生じにくいです。(ようは、ロボットダンスみたいなのは振付が出来たとしても、同時に歌にするのが難しいということです)

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『6㎝上の景色』をお届け♪

まとまりの良さ:★★★★★ 迫力:★★☆☆☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振付:比較的無難

 この曲もみおちゃんのいいところが上手い事生かされた楽曲だなと感じます。AメロBメロで伏線を張りながらサビでそれを回収して盛り上げるという典型的なスタイルの楽曲だったので、歌い手やプロデューサーにとっては構成を考えるのもかなり容易だったのではないかなと思います。ただ、楽曲がシンプルであるが故に純粋に少しみおちゃんの馬力不足を感じさせる部分があるのも事実だと思いました。

 振付に関しては、概ね無難でしたが、Bメロの動きがやや歌唱の柔らかさに比べ尖りすぎている(歌唱との両立が難しい)かなという印象を受けました。それ以外は何か所かある回転も含めて、上手く歌との両立が図れている方かなと思いました。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『アイカツフレンズ!』をお届け♪

まとまりの良さ:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★☆☆

振付:かなり無難

 最序盤に登場した曲ですが、その完成度の高さには目を見張るものがあると思います。

 振りに関しても、上手く回転のタイミングを強勢からずらしてあったりと、中々見るべきところの多いダンスだったと思います。強いて言うならサビ後半の最初の踏切が歌唱上の強拍とずれている点は気にはなりましたが、この程度なら歌唱への影響は大きくはないと思います。

 

『ありがと⇄大丈夫』OPver(自分で探してね!)

まとまりのよさ:★☆☆☆☆ 迫力:★★☆☆☆

振付:不明

 最初に聞いたとき、その余りのふにゃふにゃさにびっくりさせられました。この二人のマッチアップを考える上で、この手の曲調でこれ以上に相性の悪い曲もそうないと思います。

 ハモリパート、ユニゾンパートはややぎこちなく、またソロパートはユニットの魔法に力負けしがちで、正直余りいいところのない曲だったと思います。まあそれでも、25回も聞けば人は慣れるものです。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『みんなみんな!』をお届け♪

まとまり:★★★☆☆ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振付:自然

 少しだけこの二人のマッチアップの悪さを感じないではない部分のある楽曲です。なんというか、最初から合わせる目的で歌われたというより、それぞれがバラバラに個々のパートを歌ったものをがっちゃんこした感じというか……。勿論メジャー流通するものである以上プロデュースの過程でその点は死ぬほど意識されて作られた音源なのだと思うのですが、それでも少し不揃いな方向を向いている二人の歌唱を思わざるを得ない楽曲だと思います。唯一合っていたのはサビのファルセット地帯でしょうか……(あれはあれ以外に歌いようがないですからね)

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『そこにしかないもの』をお届け♪

曲としてのまとまり:★★★★☆ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★★★★☆

振付:難しい

 現時点でのこの二人の持ち歌の中では最もテクニカルな楽曲です。楽曲の解釈が容易であり、フレージングも歌い手によってまちまちというよりこれしかないというひとつに定まりやすい代わりに、特に小器用さと発声の力強さという、歌手的なテクニックを問われる箇所が散見され、恐らく皆さんの想像以上に「聞ける楽曲にする」事に難しさがある曲です。その分聞いていてとても楽しい楽曲ですね。

 振りに関しては、特にこれと言う箇所があるというよりは、全体的に厳しさを感じます。何より歌のフレージングとダンスのリズムの不一致が甚だしく、この振りをしながら乱れなく歌うことはかなり難しいのではないかと思います。

 

いっしょにA・I・K・A・T・S・U! ピュアパレットver(自分で探してね!)

まとまり:★★★★★ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振り:自然

 歌い手にとって歌にするのが非常に平易で解釈もしやすく、特に曲構成的には非常にシンプルでありながらそこに聞かせるだけの説得力のある、不思議な楽曲です。緩急はありませんが、聞いている間中和やかな時間に包まれます。

 一見静かな歌声で聞かせる楽曲であるわりには激しい動きが多いようにも見えるのですが、実際にはソロパートが多く、また歌唱の中で明確な主張が必要であることなどを勘案すると、振りのダイナミックさと歌唱のバランスは中々いい塩梅だと思います。また、歌唱上の強勢とステップが重なっている個所が多く、見ていてかなり違和感の少ない部類の楽曲だと思います。

 

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・ラブミーティア

歌の力……カレンさん:★★★★☆ ミライさん:★★★★☆

マッチアップ:最高

 主人公の二人をあらゆる方法で引っ張っていく先輩役の二人です。そのアニメ内での存在感ももとより、ミライさんの、声優さん本来が持つ一番いい地声を上から下まで上手に使った歌唱、そしてカレンさんのややファルセット気味に抜いたところがありながら、メロディ、リズム、解釈、フレージングとほぼ隙のない歌唱は、聞いていて脱帽する他有りませんでした。

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『アイデンティティ』をお届け♪

まとまり:★★★★★ 迫力:★★★★★

歌にする難易度:★★★☆☆

振付:極めて自然

 大橋彩香さんは普段の喋り方からも激しく声を作る癖のある人で、むしろこの曲で筆者は初めてへごちんさんの地声を聞く機会を得たぐらいなのですが、その地声の素晴らしさ……声にパワーがあって声質もシンプルながら強さがあり、なんでこれがもっと早く聞けなかったのだろう? と思わされた程です。

 振りに関しては、見事に歌とシンクロしていると思います。特に強拍の位置が常に意識された振付がなされており、寧ろリアルにこのままでも歌えてしまうのではないかと思うぐらいです。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『愛で溢れている』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★★☆

振付:部分的に難

 普段の田所あずささんの歌唱からは想像もつかないような抜いた歌われ方の、線の細さを感じさせない豊かな声質、安定した音程とリズムという様々な条件がそろって、素晴らしい楽曲になっていると思います。卓越した技術の賜物です。

 振付は3回目のターンが過分であると感じました。踏切のタイミングがロングトーンの頭とぴったりと合っていればさほど違和感はなかったと思うのですが……。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『Believe it』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★★★

歌にする難易度:★★★★☆

振付:部分的に難

 アニソンらしいロックとは対照的な、テンポの遅いR&B風な楽曲です。楽曲の解釈は恐らく誰がやってもこのようになるだろうという簡明さがあるものの、テンポが遅いが故にフレージングには難しさがあり、こうした歌が形になるのは正しくこの二人の技術が優れている証拠なのだと思います。

 他方で、こうした曲は窮屈なロックよりもエンジニアリング的観点から言えば手を加えやすい為、この歌の安定感に再現性があるかどうかは謎ですが、明らかに弄られた形跡しかなく、まるで機械が歌っているかのような音源が萬栄している昨今のポピュラーミュージックシーンにおいて、この楽曲が、音源の向こう側にちゃんと歌手の姿を想像できるような嘘臭さのない音源になっている点は評価されて然るべしだと思います。

 歌唱面だけではなく、楽曲としてもまとまりが良いです。が、この二人の潜在能力を考えれば、もっと大胆に大きな風呂敷でも畳めたのでは? と感じさせる部分があるとも個人的には感じました。

 振りに関しては、Aメロラストのミライさんの「いつでもらしくありたい」のパートに明らかに無理がある点を除けば、難しいなりに出来ないことはないのかな……? という感じです。

 

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 アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『プライド』をお届け♪

まとまり:★★★☆☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★☆☆

振付:違和感は特になし

 とにかく開幕のファルセットのパートが苦しい……。それ以外はほぼ文句のつけようもない音源です、が、気になる人にとっては開幕がとにかく苦しすぎます。

 デジタル加工されたAメロ前半との対比で、Bメロの入りでカレンさんのくっきりとした歌声の輪郭が浮かび上がって来るような構成には目を見張るものがあります。またサビ以降は、とにかくこの二人のマッチアップの良さを感じずにはいられない、素晴らしい出来でした。

 振りは開幕以外は妥当だと思いますが、たぶんこれと同じことをリアルでやったら開幕はヘロヘロになると思います。

 

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・ハニーキャット

歌の力……舞花ちゃん:★★★★☆ エマちゃん先輩:★★★☆☆

マッチアップ……良い

 純粋に力で殴って来るタイプの歌い手である舞花ちゃんと、やや技巧派のエマちゃん先輩のフレンズです。特に舞花ちゃんは非常に歌える歌い手で、この二人の歌を牽引する役目を追っているのではないかと感じます。対してエマちゃん先輩は、歌の中にコミカルな表現性を持つキャラクターです。正しく、双方に足りないところが補い合えるような歌唱が聞けるのではないかと思います。

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『Girls be ambitious!』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★☆☆

振付:自然

 Aメロ~Bメロの変則的なリズムのバスが徐々に収束していき、サビで簡明な曲になる様はとても聞いていて気持ちがいいです。強いて言うならサビ以降がちょっと緩急の急の方寄りで一辺倒になりがちかなという印象を受けましたが、とりあえずこの歌の力が根拠になったダイナミクスは中々出せるものではないです。

 振りは歌唱との連帯を意識してみると、極めていい感じの落としどころだと思います。間奏のOH~の所だけ若干歌われることが意識されていない感じはしましたが、まああの程度の箇所ぐらいは録音でも誰も怒らないでしょう。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『おけまる』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振付:だいぶ無難

 発生的にはBメロで一瞬エマちゃん先輩の一番いい声が出て来るのですが、それ以外は若干抜かれた部分のある歌唱です。ただ、その抜かれ方に統一性があり、ちゃんと一人の歌手としてのバックボーンをそこに見出すことが出来るのは、流石に声のお仕事をしているだけあると感じさせる仕事です。

 振りは全体的にステップが多めですが統一感があり、また踏切が歌のアクセントに合わせて行われるので、歌と振りが綺麗にシンクロして聞こえます。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『個×個』をお届け♪

まとまり:★★★★★ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★★★☆

振り:うーん……?

 ユニットの魔法という言葉が一番当てはまる楽曲があるとしたらこれでしょう。全体を通して二人の歌に統一感があり、ここぞという箇所で使われるファルセットも綺麗なユニゾンを構成しています。

 ただ、振りが若干、この姿勢、この表情でこの声は出ないのではないか? と思わされる箇所が散見されました。それが最もよく表れていたと個人的に思うのが、落ちサビのエマちゃん先輩のファルセットです。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『みつけようよ♪』をお届け♪

まとまり:★★★★★ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★★★★★

振付:相対的に見ておかしさはない

 おけまるとは別人なのではないかと思うぐらいエマちゃん先輩の素晴らしい声を聞ける楽曲です。舞花ちゃんも艶と底力のある歌唱で申し分なく役割を果たしており、アイカツフレンズでいうなら、この二人でなければ崩壊してしまいそうな繊細なバランスの上に成り立っている、二人のマッチアップの良さを非常に感じさせる楽曲です。ただ、楽曲の展開上、このPVに収まっているshortverでは一番のサビ以降がやや冗長かもしれません。

 振りはこれも全体的に激しく、ファルセット中のターンや大きなステップが多用されていますが、歌とのシンクロ率は他の曲を見ると高い方だと思います。

 

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・リフレクトムーン

歌の力……さくやちゃん:★★☆☆☆ かぐやちゃん:★☆☆☆☆

マッチアップ:非常に良い

 双子の姉妹設定?の二人によるフレンズです。注目すべきはどの楽曲も、やや狭めの音域を幅広く使ってダイナミックに見せることに成功しているところだと思います。やや音声加工が多いのも、音域を変えずに歌に緩急を出すための工夫なのだと思うのですが、それが違和感なくなされている点が素晴らしいと思います。また、全体から来る歌唱の容易さ等も相まって相対的に振りに無理がない点も特筆に値するでしょう。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『導かれて』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振付:自然

 やや作られた部分のある、さくやちゃんの馬力不足を感じない部分がないでもないAメロの歌唱のあと、メロディアスなBメロで雰囲気が少しずつ変わり始め、サビの転調が見事にそれまでの物静かな雰囲気を一転させる効果を担っていると思います。あたかも幅広い音域を使わせているかのような最後の半分ファルセットに行きそうなハイトーンも、それが楽曲の「幅」として機能していることは疑いようがないと思います。

 また、「ほんの一瞬で抱いた恋は かなわない/予感がして」という歌詞の間の取り方が、楽曲全体のストーリーの厚みを増していると思います。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『偶然、必然。スタイルドレスver.』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★☆☆☆☆

振付:自然

 使わされる声域が極めて狭い楽曲です。かと言ってリズムやフレージングに難しさがあるということもなく、歌唱的に非常に容易で、またその非常に平易な歌をかぐやちゃんが非常に平易に歌うという、一歩間違えば没個性になってしまいかねないような楽曲と歌い手のペアリングなのですが、その中で転調等を使って見事に楽曲の厚みを演出してあります。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『絆 ~シンクロハーモニー~スタイルドレスver.』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★★☆

歌にする難易度:★★☆☆☆

振付:自然

 声質が似ているさくやちゃんとかぐやちゃんによる歌唱ですが、さくやちゃんの方が素直な発声で、対するかぐやちゃんは発声の直前に僅かにタメを作って狙った通りの声を出すようなところがあり、その対比がかなりわかりやすい楽曲なのではないかと思います。一見難しそうに見える楽曲ですが、転調を覚えてしまえば歌唱的にもかなり容易であることが分かると思います。

 

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アイカツフレンズ!ミュージックビデオ『 Have a Dream』をお届け♪

まとまり:★★★★☆ 迫力:★★★☆☆

歌にする難易度:★☆☆☆☆

振付:自然

 サビの韻の踏み方が最高にリズミカルで素敵な楽曲です。この楽曲でもやはり非常に狭い音域の中で大胆に転調が使われており、それに加えてAメロBメロで加工音声を使うことによって緩急を演出し、サビに焦点を持ってきてあります。歌唱的にもやはり非常に平易で、難しさのない中にもポピュラーとしての魅力がある音源に収まっていると思います。個人的にはBメロのさくやちゃんの抜いたファルセット(「光の中」のフレーズ)が好きです。

 

 アイカツフレンズの中でここまで出て来た楽曲は、アイカツの歴史を遡ってみれば他にないようなメロディアスさとドラマチックさを兼ね揃えた楽曲が多く、その原因は個人的には「歌える声優」を選んできたことにあるのではないかと思います。ベイビーパイレーツにもプレミアムレアドレスが来たようですし、彼女たちの楽曲を期待してもいいのかもしれませんね。何はともあれ、彼女たちのアイカツから今後も目が離せません。それでは今回はこんなところで。

 

※曲の抜け、ダブり、フレンズの勘違い等ミスがありましたら、お手数ですがツイッターの方までご連絡いただけると幸いです。

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