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今だから言う、アイカツ!~アイカツスターズ! までの楽曲に思う事 その2

当記事を書く前に前回の記事をもう一度推敲し、何十行か書き足しました。

以下※※※内は前回の記事からの引用です。前回をお読みになった方は読み飛ばしてください。

※※※

 スターズが感動的な最後を迎えてから半年程経ち、そろそろほとぼりが冷め始めた頃だろうという事で、初めて聞いた当時思ったことや今思っていること等をまとめていきたいと思います。

 

 まず時系列を簡単にまとめます。
・アイカツ!前期(星宮世代……スターライト学園所属星宮いちご、霧矢あおい、紫吹蘭、ライバル校ドリームアカデミー所属アイドルなど)

・アイカツ!後期(あかり世代……大空あかり、氷上スミレ、新条ひなきちゃんなど)

・アイカツスターズ!前期(ゆめちゃん世代……虹野ゆめ、桜庭ローラ、早乙女あこ、香澄真昼+先代S4……白鳥ひめ、如月ツバサ、二階堂ゆず、香澄夜空等々)

・アイカツスターズ!中期~(上記メンバーに加え、ビーナスアーク所属のエルザフォルテ、花園きらら、騎咲レイ、双葉アリアの面々)

 

 以前記事にしたこれを元に曲紹介コメント? を一曲ずつ書いていきます。

※当ブログでは「歌にする」「曲にする」等のテクニカルタームを以下のように使い分けています。

形にする、曲にする……譜面通りに曲を歌う事。

歌にする、音源にする……「曲がある程度譜面通りに歌われていること」を前提に、アクセントやリズムに歌い手自身の解釈を加えて、人間性のある歌として仕上げられること。

 要するに、歌にするは曲にするの上位概念ぐらいに思っておいてもらえれば記事を読むのに十分だと思います。 

※※※

 

(自分で探してね!)

・ミトレジャーノ!

 恐らくわかさんの星宮いちごちゃんとふうりさんの霧矢あおいによるツインボーカルの楽曲だと思うのだが、曲調と共に、両名の豊かな声質を大体に生かした大きな規模感の音源になっている。良くも悪くも声を作った個性的な歌を歌う両名の歌唱なので、やはり少し不揃いなところもあるにはあるが、基本的には良い点の方がそうした悪い点を上回っていると思う。

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・Star Heart

 渋い。美月さん、かえでちゃん、ユリカの三人による歌唱。美月さんが歌唱の軸になっており、曲全体に非常に安定感がある。かえでちゃんとユリカの歌唱も非常に無難に収まっているように思う。……初代アイカツ、そして特にTRYSTARの楽曲はどれも女児向けアニメの関連曲とは思えないような渋い曲が多いような印象が。

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・LOVE GAME

 氷上スミレ、黒沢凛という技術のある両名による楽曲。形にするのは容易なものの、ただ歌うだけでは平坦になりすぎる点と、弱拍から始まるロングトーンが多用されているなどリズム的にややトリッキーなところがある。歌唱に人間的な解釈が求められ、音源としてまとめる上ではそれなりに技術が求められる楽曲。

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・Poppin' Bubbles

 一見地味ながら、よく聞くとリズム隊が面白い動きをしているのが特徴的な曲。ひなきちゃんとスミレちゃんという基礎的な技術もあり器用さもあり、歌の技術的解釈が上手い二人の歌い手による楽曲だけあって歌唱的には非常に無難どころか無難以上の出来になっている。

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・prism spiral

 あおいの最初期の持ち歌。今思うとアイカツの最初期の楽曲は全部こんな感じだった気がする。やはり形にするという意味ではアイカツ楽曲に共通した簡単さがあるものの、これも独自の表現が無いとただ歌っただけの音源になってしまいやすいところを上手い事歌としてまとめてある。特に、他の歌い手とは違う識別性を出すという意味ではあおいの歌は総じて秀でており、単純な技術を推し量るというよりはそのような観点から歌を聞く方が拡張性があるかもしれない。

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・Passion flower

 珠璃とスミレちゃんのツインボーカル。メロディアスで起伏のあるメロディーラインとリズム的にタイトなオケという、派手さの中にちょっと間違えば破綻してしまいそうな繊細さが含まれた楽曲だが、みほさんの珠璃の声質の良さ、もなさんのスミレちゃんの技術、そして両名の楽曲に対する解釈とが上手い事合致し、他楽曲に比べても非常に仕上がりが良い。

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・オトナモード

 非常に無難なところのある楽曲。元よりもなさんのみくるちゃんとりすこさんの美月さんの組み合わせなので、余程個性的な楽曲でもない限りそう可笑しな仕上がりになるわけがないのだが、この楽曲に関していえば形にする難易度、歌にする難易度共にかなり低い分、もう少し表現的に工夫がみられるとよかったかなと何様のつもりかわからないが思ったりする。

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・オリジナルスター☆彡

 大所帯による非常に豪華な歌唱と派手目で個性的な楽曲の取り合わせが良く、どこに出しても恥ずかしくない(というのは少し言い過ぎかもしれないものの)ぐらいのインパクトのある音源。強いて言うなら何名かのソロパートが足を引っ張っているかな? という感じがするものの、基本的には文句をつけるべきもない素晴らしい仕上がり。Cメロの連続転調地帯は某有名生主をうならせたとか。

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・ダイヤモンドハッピー

 初代アイカツ前期の主人公三人衆による歌唱。相対的に難所であるサビはユニットの魔法で味付けをしつつ、なだらかでリズム、アクセント的に各人の解釈が求められるAメロBメロはソロでというソロパート、ユニゾンのパート分けが、非常に楽曲への当てはまりが良く、これ以上のアレンジは考えられないと思えるほど個人的に納得感のある楽曲。それにしてもテンポが速い……

 

~一区切り~

 

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・KIRA☆Power

 オリジナルスターと合わせて、初代アイカツの中で個人的に最もお気に入りな楽曲。平易な曲というのは歌い手に極端に解釈が委ねられるものと、全く求められないものに分けられるが、この楽曲は分類するなら後者。普通に行けば歌い手自身の表現を出す必要のある個所がこぞって、工夫が多く露出の多いオケの力で歌にする上でも平易になっている。逆に歌に解釈を持ち込むことが日常茶飯事である技術のある歌い手だとかえって曲としてまとまりづらいのではないか? とすら思わされる。

(自分で探してね!)

・薄紅デイトリッパー ~みやび&さくら Ver.~

 前回使ったものはみほさんとえりさんの薄紅デイトリッパー。こちらはみほさんの代わりにれみさんの歌唱となっている。密度のあるみほさんの歌唱に支えられていた部分のあった音源だけに、個人的には作中で使われていたこちらのバージョンの方に若干の物足りなさを感じる部分がある。若干パート分けが変わっていたりと色々と歌にする上での工夫が感じられる。

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・Pretty Pretty

 初代アイカツ後期のメイン格キャラが勢ぞろいで歌う。可愛い。形にするのが平易で、その分を歌い手自身の表現で歌にする必要があるところを数の力と演出でカバーしてある。可愛い。

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・SHINING LINE

 初代アイカツ前期後半のED曲。ようつべでの再生数はそこまで多くない割に、やたら色々なバージョンが用意されている。思わず口ずさみたくなるようなキャッチーで印象的なメロディが特徴。歌唱的には、非常にストレートでシンプルであるが故にソロだと返って表現を出すのに技術が問われるようなところがあるのだが、それをパートをころころと切り替えることで、一人一人が自分の歌を歌えば結果的に色々な属性の歌を聞くことが出来るような部分のある楽曲。

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・カメレオントーク★

 当社比で言うと形にするのにも歌にするのにもやや難しさのある楽曲。音城セイラと星宮いちごという結構派手に声を作る両者による歌唱だけあって、正直やや苦しさを感じる部分がないではないが、なんやかんやちゃんと音源になっているあたりにプロデュースやエンジニアやミキシングのプロの技を感じる一曲。

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・Du-Du-Wa DO IT!!

 初代アイカツ後期OP。形にするのは楽だが歌にするのにはややテクニカルな部分が問われる。基礎的な能力の高いもなさんのスミレちゃん、器用な歌唱が特徴的なみきさんのひなきちゃん、アクセントに個性のあるわかさんのあかりちゃんの三人が組み合わさって聞きごたえのある音源になっているが、個人的には技術的な面でもう少し捻りようがあったのではないかと聞くたびに感じさせられる部分もある。それでも素晴らしい出来の音源。

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・アイカツメロディ!

スターズまでの主人公オブ主人公ズ(星宮いちご、大空あかり、虹野ゆめの三人)による歌唱なのだが、三人の声質が似ていてやたらと区別がつきづらい。単純な発声の力だけではゆめちゃん>あかりちゃん>いちごちゃんで、声質の良さで言えば恐らくいちごちゃん>あかりちゃん>ゆめちゃん、ということになりそう。いちごちゃんは声は一番キラキラとしているものの作っている割合が大きい分少し不安定、ゆめちゃんは一番素直に声が出ているぶん力があるイメージで、あかりちゃんは丁度二人の中間を取ったような歌を持っている。

 

~一区切り~

 

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・放課後ポニーテール

 おとめちゃんによるソロ曲。当社比で言うと歌が非常に上手く、形にするという意味でも表現に落とし込むという意味でも高い技術を見せる反面、そうした器用さ、洗練された歌の在り方が地味に聞こえるという人も少なくないのではないかと思う。

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・チュチュ・バレリーナ

 初代アイカツ後期のED曲。EDではあかりちゃん、スミレちゃん、ひなきちゃん、PVはスミレちゃんと凛ちゃんによる歌唱。曲としてはサビ以降ダイナミックな展開を見せるが、歌唱的には非常に容易で、自然に歌うだけで歌としてまとまりやすく、譜面通りにまとめるのにも難しさがない、非常に歌い手フレンドリーな楽曲。

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・サマー☆マジック

 ひなきちゃんと珠璃によるツインボーカル。器用さのあるひなきちゃんに、歌い手としての力の証でもある密度のある歌を持つ珠璃の組み合わせで、全体を通してみると文句のない仕上がり。ただ、ユニットも組んでいる両者の歌い手としての在り方に実は結構な差があり、少し歌の部分部分ごとに仕上がりのギャップを感じる部分もないではない、というのが正直なところ。

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・きらめきメッセンジャー

 非常に素直なロックの上に、安定感、技術があるスミレちゃんと凛ちゃんによる歌唱が乗っかって大変聞いていて爽快感を感じることが出来る一曲。歌唱的な意味では、形にするのには難しさがない他方で、音程やリズムが少しでもズレるとこのシンプルなオケの上に上手い事乗っからず、また自分の表現を多少でも含めないと極めて平坦な楽曲になってしまうという様々な危険性を孕んだ楽曲。

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・荒野の奇跡

 dreaming birdに続く白銀リリィのソロ楽曲。技術的な意味では譜面に収めるのにも、表現に落とし込むのにもこちらの方が技術が必要で、相対的に楽曲の中に歌い手の技術を聞く要素が大きい楽曲とも言える。アイカツ楽曲全体の中で見ても、リズムや音程のブレが許されない上に、歌にするためにポピュラーミュージックの歌唱というものに対する大きな理解が必須になる。「歌組の傑出キャラ白銀リリィの楽曲」としては、歌の畑に少しでも足を突っ込んだ経験者ならばdreaming birdよりこちらの方が聞きごたえがあるだろう。

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・TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~

 みほさんの夜空先輩(姉)とかなさんの真昼ちゃん(妹)による楽曲。技術のある両名による歌唱だが、特にかなさんの真昼ちゃんはアイカツの歌い手全体で見ても頭一つ抜けている印象を受ける。楽曲全体を見ると構成がシンプルで分かりやすいが、細かく見ると落ちサビの夜空先輩のソロパートに多少苦しさがあったりと、もう一つと思える点がないわけではない、が、それでも無難さでも表現でも他楽曲と比べれば秀でた点を持っている楽曲。

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・Jewel Star Friendship☆

 全体を通してクリップノイズが……先代S4のメンバーによる歌唱だが、先代のS4自体がマッチアップの良し悪しに関してやや疑問点があると感じることが個人的には多い。アイカツの楽曲の中でもかなり好きな方ではあるんだけど、歌われ方やパート分けや編曲などのパッケージング部分に関してはもうちょっと何とかならなかったのかと思わされる部分もないではない。

 

~一区切り~

 

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・Wake up my music

 理事長と主人公の母の組み合わせという、経緯を知らないとどうしてこうなったのか分からないであろう二人による一曲。

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・アイカツ☆ステップ! ~ゆめ・ローラ・あこ・真昼 Ver

 アイカツスターズで最初に出てきた挿入歌。ローラ、あこちゃん、真昼ちゃんと並べるとゆめちゃんが弱いのが非常に気になる。歌唱的には譜面通りに歌うのは簡単な反面、意識的にアクセントを並べて歌わないと聞き手に何も伝わらない歌になってしまう危険もある、ややテクニカルなところのある楽曲。

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・ドリームステージ☆

 ななせさんのリリィ、みほさんの夜空先輩、かなさんの真昼ちゃんという、スターズで屈指の歌うま面子による歌唱。中でも真昼ちゃんの歌唱は一級品で、なにかの教科書ですか? ってぐらいどこに出しても恥ずかしくないと言える程の仕上がり。難所や見せ所の軸が真昼ちゃんになっているところも曲を綺麗に収めるのに一役買っている。

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・スタージェット!

 スターズ前期のOP曲。主人公4人衆による歌唱だが、この楽曲はさほどゆめちゃんの弱さを感じさせない不思議。何故か主題歌にも関わらずやたらとようつべでの再生回数が少ない。

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・MAKEOVER♡MAKEUP

 アイカツスターズの香澄姉妹による楽曲。相変わらず構成が分かりやすく、相変わらず真昼ちゃんが上手い。落ちサビでの真昼ちゃんのソロパートなどは出どころを間違えているんじゃないかと思う程の出来で、これから歌を聞くことをはじめたいと思う人には是非歌の基本形の一つとして頭にインプットしておいてもらいたい程度には優れた歌唱を聞くことが出来る。

(自分で探してね!) 

・Moonlight destiny

 前との繋がりが若干苦しいか……。美月ソロ楽曲だけあって一貫性があり嘘臭さのない仕上がりの楽曲。テンポの遅さ、複雑な構成のメインメロディーなどから、形にするのも歌にするのも非常に難しい。この曲が綺麗に音源に収まるのは相当の技術をもっている証だろう。

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・カレンダーガール

 初代アイカツの最初のエンディング。サビの歌詞のストーリーが印象的。2番から3番の間の間奏から落ちサビへの流れが見事。メインメロディーに工夫が凝らされており、譜面通りに歌うこととそこに人間らしい解釈を加えることを中々分断できない面がある、歌にするのが相対的に難しい楽曲。

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・START DASH SENSATION

 初代アイカツあかりジェネレーション最後のOP曲。一見難しそうに見えるが、歌唱的には流れで歌いきってしまえばそれなりに歌になりやすく、音源にするのにさほど苦労のない歌い手フレンドリーな楽曲。最終話の挿入歌としても機能し、合計176話に渡るアイカツの歴史を締めくくる大仕事を成し遂げた、アニメを見ていた人にとってはたまらない思い出のある楽曲。

 

 Summer tears diaryが余ってしまったため、次回似たような企画をすることがあったら何らかの形で消化したいと思います。

 ここまで読んでくださった皆様、お付き合いいただきどうもありがとうございましたm(_ _)m

 

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