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歌手の話 Wake Up, Girls!(少女交響曲、素顔でKISS ME、スキノスキルなど)

※記事が小さくまとまってしまったので、後日加筆しておくかもです。

 このグループは今までの発展の過程において変わった経緯を持っている。グループ名と同名のアニメ Wake Up, Girls! に登場し、その後独自のタイアップを獲得するなどして独立した音楽グループとなった。そんな彼女たちの歌声には中々に存在感があり、バランス感、パワー(一般に受け入れられるかは微妙だが、個人的には歌はパワー! を信条に楽曲を聞いているので、このワードを好んで使っている)共によくあるキャラものとして以上の出来栄えの良さを誇る楽曲が多々存在している。

 

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(Wake Up, Girls! / 少女交響曲)

 

 アイドル系音楽ユニットには必ず(と言っていいほど)、キャラとして楽曲を盛り立てる役と、歌で音楽を引っ張る役が楽曲の中に併存しているが、歌を聞く限りでは、Wake Up, Girls! の場合皆が歌で音楽を引っ張る役割を担える程度の歌の力を持っていることが最大の特徴でもある。その中でも林田藍里や岡本未夕、片山実波は作られた声の存在感が非常に明確で、とてもアニメ系アイドル音楽ユニットらしい性格を持った歌い手だと思う。対称的に自由に歌わせればある程度の発声的な正しさを持つであろう熱唱型の七瀬佳乃と島田真夢は、声に底力を感じる面と少し声が埋もれがちな面を同時に感じる(CDに収まっている音源だとどうしても皆声を作る傾向が強いので直前に上げた二人は個性を感じにくいし、声優らしさという点で声質こえしつ に他のメンバーのような特徴があるとは言い難いものがある分地味に聞こえるが、ライブ風音源では特に7 Girls Warや少女交響曲、タチアガレ! のCメロソロパートなどその二人が力強さを発揮する場面も多々有ったりして中々興味深い)。

 

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(素顔でKISS ME)

  インスト的に凝ったものが多いのもこのグループの特徴だと思う。音楽はMONACAが担当しており、メロディアスでありながら聞けば聞くほど発見があり楽しくなるような渋い楽曲が多い。素顔でKISS MEはWake Up, Girls! 名義の楽曲の中では個人的にお気に入りの楽曲で、裏で唸るベース音や三連符のリズム、リズミカルな歌詞が一際楽曲の個性を増長している。

 

 

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(スキノスキル)

 スキノスキルは『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』のタイアップ楽曲であり、その辺りが意識されてかどことなく民族音楽的情緒漂う楽曲に仕上がっていることと思う。(少し話は逸れるが)具体的には楽器であり3拍子でありというところだと思うのだが、楽器の方はともかく3拍子がファンタジーっぽいという印象が果たしてどこから来ているのか筆者の中では今一定かではない部分がある。(古くから伝わる欧州辺りの民俗音楽の影響なのかもしれないし、あるいはもしかしたらアトリエシリーズ辺りから来ているただの印象に過ぎない可能性も否定できない)それはともかく、Aメロ後半から入って来るバスのポリリズム的な(厳密には3拍子を3連符として再解釈した上で、3連符x4拍子を4分音符x3拍子に更に置き換えた上で4分の強拍上にバスが載っている、と筆者は考えたわけであるが、果たしてこれが正しいかあまり自信がないので有識者の見解を待ちたい)要素が3拍子と言うJPOPにとって見慣れない拍子への違和感を薄くしているであろうことは着目に値するし、サビでもちゃっかり同じ音が同じ役割を担っていてリズム的に楽曲の魅力が一層引き立てられている。歌唱的には作った声が埋もれづらい楽器構成の中で各々の歌い手がわりかし自由度をもって歌っており、アイドル音楽的な部分とアニソン的な部分を上手に跨いだ楽曲になっている。

 

 社会現象を巻き起こしたともいわれるμ'sやAqoursと比べると波及力の点ではどうしても及ばないと思われるWake Up, Girls! だが、音楽(特にアニメソング)を聞く者としてはどうしても見過ごせない存在感を持っている。それは作編曲から来る部分も勿論のこと、歌唱の技術から来る部分も大きく、声優と歌手という二足のわらじを履くことになりどうしても歌唱の方がわりを食いがちな部分があるアニメ系アイドルグループの歌い手としては貴重な、「歌えるメンバー」が揃ったグループであることは確かだろう。

 

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(とりあえず小松未可子→ここ→坂本真綾にしておきました)