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ボーカルが曲を歌にすることについて その1

 何故か昔のボカロに関する記事があほみたいに伸びていたので、急ではあるけれど人間らしいボーカル性ということの目安のようなものを作っておかないといけないと思ったので簡単にまとめてみる。改めて言う必要もないぐらい非常に基礎的なことではあるけれど、何かの参考にしてもらえると幸いだ。

 

 歌の初歩の初歩は音程だと思うけれど、その次はアクセントとリズムだ。たぶんこの中で一番聞き心地に影響するのはアクセントだと思う。

 誰でも知っているようなこととして大体の曲では強勢は大雑把に1,3拍か2,4拍(拍子がわからない人は、手拍子で歌を1,2,3,4と4つに分割することを想像して欲しい。それが拍子で、1,3拍というのはひとつ目と3つめの拍という意味だ)に乗るが、これはリズムを明確化する意味合いが強い。それより細かい部分はフレージングの中で決まる。

 フレージングというのは歌をフレーズごとに切り分ける作業だと思ってもらっていい。Liaの鳥の詩で言えば きーえるひこうきぐもー/ぼくたちはみおっくうたー/まーぶしくてーにげたー/いつだってよわくてー/あのーひーかーらー(ここは切らない)かーわらずー/……の斜線内部が一つのフレーズだと思ってもらっていい。息継ぎの間が1フレーズになる。

 遅い曲(バラードなど)では一般にフレーズの始まりや終わりよりも中間の高音を強く歌いやすい。というか、人体の仕組み的に息継ぎの前後はそこまで激しい動きが出来ないので、必然的に前後のブレス(息継ぎ)から一番遠いフレーズの中間あたりがのびのびとすることが多い。他方で速い曲ではリズムキープのために大体拍の頭の音が強い傾向にある。上記の例で言えば、(4拍のうち1,3拍が強いので)きーえるひうきぐー/僕ちはみっくっーというふうに、一つおきに拍の頭の音が強調される。試しに歌いながら手拍子をしてもらうと、音楽的にはそこに強勢が乗ることがわかりやすいだろう。まあ速い曲とは言ったものの、遅い曲でも拍の頭の音は強いことが多いし、多くの楽曲はこの4分上の音を強調することと、フレーズの中間の音が強調されることが組み合わさって出来ている。

 また、拍の頭からはじまるロングトーンは基本大きく出て大きく収まるほうが歌に表情がつきやすい。歌い手はロングトーン以外の部分をなかなかのびのびと歌うことが難しいし、拍の頭のロングトーンは歌い手にとって一つの見せ場になる。裏声を除く高い音でも同じことが起こるが、だいたいロングトーンは音が高いし音が高いとロングトーンになりやすい傾向があるので非常に大雑把に言えばロングトーンにせよ高音にせよ近い話だと思ってもらって差し支えない。

 

 このブログの趣旨から言えばアクセントがわかりやすいのはMay'nか藍井エイルの楽曲だがMay'nは後からやってくるようなちょっと変わったアクセントを付けるので注意が必要だ。もし聞くならScarlet Balletがリズム的にも平易で強弱がわかりやすい。

 


藍井エイル 『シリウス(Music Video)-Short ver.-』

 


Scarlet Ballet(2コーラス)PV / May'n

 

 次に歌の中で言葉をどう処理するかについて説明する。これは非常に説明しづらいが、実は緩急というのは音の強弱だけではなくリズムの取り方からもつけられるものだ。具体的に言えば1,3拍のリズムが正確にとられる他方でそれ以外がやや遅れてきたりとか、あるいは発音が弱かったりすると音楽に表情が出る。(最初に極端な例を上げ過ぎると後でつじつまを合わせるのに困るんだが)これはAKINOのGo Tight!のサビが一番手っ取り早くわかり易い。比較的有名な曲だと思うんだが、ここで取り上げるのに適当な動画がないので勝手に探してもらうか下のスポンサードリンクから聞いて欲しい。

 何が言いたいかというと、この曲は言葉とアクセントが1対1対応していない。何らかの曲の楽譜を見てもらえればわかりやすいが日本語の歌というのは基本的にひらがな一つに音符一つが対応するように出来ているんだが、この曲は雑に言えば go/tight/しょーぅ/たーぃ/~ というふうな作りになっている(イメージとしては斜線内部のひらがな二語で一つの音をとっている感じに近い。発音2つにアクセントが一つ乗っているのだ)。メロディーのアクセントが明確に4分の頭にあるのでこれでもかというほどリズムを意識させやすいし、インスト的に言うなら裏でドラムが4分の頭を取っているのもこの傾向に拍車をかけている。

 この曲は極端な例だが、端的に言えば人間は多かれ少なかれ歌の中でリズムキープのためにこのような4分の頭にアクセントを置く工夫をしている。明確に発音する音の方が歌の中で強くなりやすいと思ってもらえれば、歌のどこにアクセントを置くかと、アクセントを置かない言葉をどう歌うかの関係がわかりやすいと思う。

 

  もっと踏み込むと、この曲でどうやってリズム感を出しているのかというと4分上の音の母音を譜面上より長さでも強さでも強調して、間の音を後ろに追い込んである。だから4分上の音が強調されて聞こえるのだ。

 

 

 先日の記事で取り上げたシリョクケンサだけど、これは か/ーしたっ/ほーうの、ひ/だーりー/めーに、ど/んーなっ/ぼーくをー、う/つーし/だーすの/ というふうにリズム的に大体拍の頭にアクセントがつけてあるのがわかる(スラッシュはフレーズじゃなくて拍の分かれ目の意味なので注意)。この法則性から言えば、先に上げた2曲ではシリウスが非常にシンプルにまとまっている。そんなに露骨ではないが拍の頭の音から曲が組み立てられているので注意して聞いてみるといいと思うし、歌が歌になるための要素としてはたぶんアクセント以上に重要なものはないだろう。

 

 

・おまけ


【初音ミク】 Snow Fairy Story / 40mP 【SNOW MIKU 2015】

 


ぽっぴっぽー(V3Edition)-初音ミク for LamazeP

 


【初音ミク】 La, La, Love You 【PVつけてみた】

 

 

 

 前の記事で紹介した曲。似たことが起きているので聞いて見て下さい。

 

 

 続きの記事を中々書かないので申し訳ないが、綾野ましろの記事の中段でそれらしい話をしているので気になる人は見てください。

 

・関連記事

vmayfy.hatenablog.com

 

 

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