試しにアニソンを聞いてみる。

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歌手の話 YURiKA(Shiny Ray、MIND CONDUCTOR、鏡面の波など)

 最近のアニソン歌手はどうも、新しい歌手を試してみて売れなかったら別の歌手を立てる、というようなことを繰り返しているように思えて仕方がないのですが、個人的にはこの歌手には是非そうしたアニソン界隈の中でどうにか生き残ってほしいと思っています。というのも、聞く限り技術もあり、発声からも力強さを感じる、歌唱の中に非常に広い世界を持てそうな、とてもいい歌を持った逸材だからです。

 

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 デビューシングルのShiny Rayは非常にアニソンらしい勢いとポップス的なキャッチーさを両立させた楽曲になっています。リトルウィッチアカデミアのタイアップとしてとても素晴らしい出来になっているのではないでしょうか。歌としても中々に密度のある声を伴った、全体に勢いのある曲ながらに緩急のある歌い手の潜在能力を感じさせる歌唱に仕上がっています。カップリング曲二曲に関しては個人的には特にリズム、音程共に明確であり非常に曲の輪郭がはっきりしているところが印象的でした。

 ただ、割合一人の歌い手として辻褄のあった歌唱に仕上がっていると思うのですが、癖なのかそれとも演出なのか、Shiny Rayに関しては非常にわずかとは言え何となく音の入りが不確かなところがあるのも事実で、個人的にはその点が気にならなかったというと嘘になります。また発声面でも後述する二曲に比べると少し粗があるかなという感じがしました。しかし全体としてみると、一貫性のありダイナミックな歌唱に仕上がっていると思います。

 

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 MIND CONDUCTORではよりポップなキャラクターの印象が強くなった歌唱を披露しています。Shiny Ray同様自由で空間的な広がりを感じさせる音源になっていますが、歌の内容を見るとShiny Rayより安定感があり、シンプルで洗練された歌に仕上がっていると思います。それ故に人によってはさりげなさから来る地味さを感じることもあるかもしれませんが……。曲自体も非常に素直な構成になっていて、曲全体で歌い手のいい音域を活用するような非常に歌い手フレンドリーな楽曲になっていると思います。

 

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 宝石の国とのタイアップである鏡面の波は上記の二曲にはないようなやや難解な要素のある楽曲です。まず三拍子を基調としたピアノと、4拍子を基調とし主に弱拍に乗る歌詞の複雑なポリリズム(だと思います)から楽曲に入って、暫くするとピアノは4拍子へ移行するとともにドラムが合流することでこの楽曲が4拍子の楽曲であることが明らかになります。それからサビにかけてはドラムンベースのような(疑惑の表現ですが、これ以外に筆者には良い表現が思いつきませんでした)リズム隊がベース、バスドラム、ハイハットシンバルのみを基調にして、そこにピアノでアクセントをつけていくスケールの大きなオケが展開されます。歌唱については、全体的に目に見えて歌の安定感が増した他、部分部分がきちんと曲全体の壮大な構想から逆算された綿密な歌唱になっています。裏の混じった声が表現として大胆に使われていることも上記二曲にはなかったポイントとして注目に値するのではないでしょうか。個人的には今出揃っている曲の中では一番のお気に入りです。

 

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 まだシングルが3枚しか出ていないこともあり、歌手としてどんな方向性に向かっていくのか、まだまだ未知数なところのある歌手ですが、個人的にはこの歌手の今後に期待したいところです。それでは、今回はこんなところで。

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・歌手の話 坂本真綾(buddy、幸せについて私が知っている5つの方法、トライアングラーなど) - 試しにアニソンを聞いてみる。

(とりあえず小松未可子→ここ→坂本真綾にしました)