試しにアニソンを聞いてみる。

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歌手の話 中恵光城/少女病 Mitsuki(unleash,Dreaming Sheep,ラストリモート~Blaze Mixなど)

【オリジナル曲PV】「WISHBONE」【Re:sonare】

 

  珍しい歌手が来たと思った人も多いだろうけど、実際中恵光城は不思議な立ち位置の歌手だ。とりあえず同人音楽の世界ではひときわ目立つ存在だし、CDで聞く限りでは思わず耳を疑ってしまうほど技術的に突き抜けたものがたくさんある。
 
 同人音楽の世界で重用されている歌手の有名ドコロの多くはプロとして生計を立てているアニメソングやゲーム音楽で活躍する歌い手だし、中恵光城も区分上はプロと言えるだろうが僕の知る限りの話をすれば腰から下ぐらいまで同人音楽に浸かっているように見える。彼女が参加している同人サークルの少女病は一山当てた感じがあり7年ぐらい前にランティスからメジャーデビューしてからアニメやゲームとのタイアップ以外でもアルバムが幾つかメジャー流通している。彼女だけの力ではないだろうが、たぶんこれが一番の歌手としての成功だと思うし、自前のブランドであるABSOLUTE CASTAWAYもコンテンツとして非常に手堅い。少なくともオリジナル(一次創作)の同人音楽でCDをamazonに委託しiTunesからダウンロード配信しているような状態にはあるのだ。聞いているとそもそもこのクオリティを同人音楽でやるの? という感じで、プロからアマにはみ出しているというよりはプロの方にかなりオーバーランした歌手という感じで扱っていいと思う。
 
 

 


少女病「蒼白シスフェリア」

(瓦礫の終音 0:15~0:44)

 


少女病 2ndフルアルバム「狂聲メリディエ」試聴用クロスフェード

 

(不完全犯罪依存症/真白国へようこそ/聖華の双子が祈るのは/Primary period/空導ノ果テ/Still Unforgiven/Mirror Image/偽りなき聲/狂聲ドミナシオン/最終楽章:魔女と七人の美しい少女 というかたくさん)
 
 このサークルの曲はいきなりセリフが飛び出てくる曲がかなり多くて、実は上のPVの前後にもちょん切ってあるだけで何と花澤香菜の朗読が入っているんで、聞きたい人は適当に操作してもらいたいんだが、少女病は場所によっては非常に有名なサークルで、完全にインディーズのころからアニメソングやゲーム音楽を作るプロたちにも相当影響を与えていたんじゃないかと思われる(まあそこは卵が先か鶏が先かみたいな話だとは思うんだけど)。めらみぽっぷ(Lico)と中恵光城(Mitsuki)のツインボーカルなんだが声がよく似ていて、僕は声の聞き分けが致命的に下手なので最初は曲を聞きながら歌い方で区別をつけていた(まあ、声はわからなくても歌になればわかるというのもわりとありふれた話だと思う)。
 
 ユニットの最大の特徴が音楽性にあるのか中二病を突き抜けた歌詞にあるのかもわりと判断に困るところで、僕は歌詞はほとんど意識的には聞かないんだがググろうとすると少女病 考察みたいなサジェストをされるあたり、物語の方もウケているのかもしれない。今ではオタクカルチャー的なもののタイトルに多用されている漢字漢字カタカナ―みたいな名称も、元はといえばこのサークルが昔から首尾一貫してアルバムや曲名に使っていたし、実は彼らが広めたんじゃないかと僕は勝手に思っている。
 
 音楽性という意味ではかなり中恵光城のポテンシャルをフル活動させているし、歌手のギリギリを聞くことにはそれだけで面白さがあるだろう。古いものまで遡って行くと、上のPV(蒼白シスフェリア。発売は6年前)のような本人がそこまで上手じゃなかったのかエンジニアがあんまり頑張ってなかったのか、とにかく少し不器用なものもわりと発掘される。下と比べると一目瞭然だろう。まあ大体の歌手は最初から上手いわけではないし、そこら辺も含めて聞くのがCDだ。
 
 

 


【Original PV】金平糖レトロチカ【中恵光城】

 (金平糖レトロチカ)
 
 歌唱力という言葉ほど手垢にまみれて実態と乖離した使われ方をしている表現はないと思うが、この歌手に関して言えば僕の語彙では現時点で相当の歌唱力があるという以外に表現しようがないところがある。なんとなく作られている感じのする声と激しい滑舌からスムーズで力強いメロディーが飛んで来る。普通作られた声は遠くまで届かないし、滑舌とメロディーラインの繋がりも両立することが難しい部分でもある。というか改めて考えてみるとそんなことが本当に人間に可能なのかと思うし、その上で面白いのは、歌手としてのアイデンティティが失われない範囲でレコーディングで盛るのに成功しているのか実際にこのように歌っているのかも全然わからないような歌としての自然さと高尚さがCDの中に同居していることだ。
 
 この世の大体の音楽CDは直されていることが明らかなことは珍しくとも直されている可能性の高い表現はかなりの頻度で出て来るし、その中で彼女のCDは流石にこれは不可能だろうというのではなくどんな技術で歌われているのかと真剣に考えさせるようなものになっている。1人の歌手として十分理解できる範囲で、ここまで張ってきたような普通に難しい曲からclimactic cryやResistanceのような段違いに難しい歌(探したけどここで挙げるのに適切な動画がなかったので勝手に聞いてください)も整然と音源にまとまっている。実際にライブでもこれと同じような歌い方がなされているかも知れないし、そうでないとしてもポップスの歌い手として格の違うポテンシャルがあることは明らかだろう。
 
 簡単にいえば出来が良くて嘘くささがない音源が少なくともここ数年は安定供給されている状態にあるということで、聞いている側にとってこれ以上にありがたいことはないだろう。ただ違うサークルで歌っていると別人のように聞こえることがわりとあるのも事実だ。
 

 

 


【富士見書房】新世の学園戦区(ネクスト・ヘイヴン) PV

 (謳歌者たちの足跡 0:22~1:46 再生すると勝手に左記の時間からはじまります)
 
 彼女の歌の中では幾つか歌の中で使われる声があるんだが、大体どの系統の声もボイストレーニング的な意味での正しさがあるかは判然としない部分があるけど、とりあえず声に密度があって虚弱さを感じさせないし、なにより次に行きたい音にまっすぐ入っていく。音が割と正確に取られているのもあるけれど、根本的には音が正確なことより、仮に違っていても音にダイレクトに入ってそのまま抜けていくことが聞き心地の上では重要だと言えるし、狙った音に最初から入るのは言うほど簡単なことではない。(なんで音程が正確であることが必ずしも必要ないかというと、歌として合理的な音に入れればそれが譜面上正しい音でなくてもわりと歌には出来るからだ)
 
 音が高くなるに従って迫力があって艶のあるファルセットが混じっていくのもたぶん目につきやすい特徴だと思う。透明感があると言われていることもあるらしいが、たぶんそれは偶々抜いて歌っている部分を聞いたか、アニメ的なポピュラー音楽が好きで密度のあるファルセットを聞いたことがなかった人がそれ以外に表現を思いつかなかったんじゃないかと思う。芯のあるファルセットのロングトーンが一番魅力的だが、ポップスでなくなってしまうためかそこまで多用されてはいない。少女病のタイアップCDのunleashの2曲めに入っているclimactic cryは突き抜けて意味が分からないので、気になる人は聞いてみるといいと思う。某所の許諾楽曲になっているぐらいだから適当に探せばあるだろうし、まあちょっとやり過ぎなんじゃないかという気もするがそれでも人としておかしくないところにまとまっている点で音源として非常に素晴らしく価値がある曲になっている。創傷クロスラインのResistanceも、ポピュラーミュージックとして出来るかなりギリギリのところを攻めていると思うので、興味のある人がいたら聞いてみて欲しい。


 
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  往々にして商業的に成功する歌手は完成品として市場にやってくるわけではなく、ファンを増やしていくに従って技術的に成熟していく傾向があるし、技術を持った状態で歌を出す人は一発当てられるかどうかでその後が決まるようなところがあると思う。
 
 メジャーでの売れ行きを見る限りでは、特に少女病のMitsuki名義の知名度や東方アレンジでの活躍を上手く中恵光城名義に帰着させることに苦労しているように見える部分がある。(実際サンプルが上げられなかったのでここでは扱わなかった少女病名義のmetaphorやunleashは、タイアップとしてメジャー流通の中でかなり売れている)まあ全ての歌手がメジャーに行き着くことを望んでいるという考え方は危険だろうし、名義によって違う歌手として歌うことがいい結果にも悪い結果にも結びつくことがあるけれど、ボーカル音楽として考えれば少女病の作風は中恵光城とエンジニアで成り立っていると言っても過言ではないと個人的には思うし、どんな形であれこれからメジャーで活躍できる機会が増えることを個人的に願ってやまない歌手のうちの1人だ。彼女は恐らく今一番可能性にあふれる楽曲を歌う歌手なんじゃないかと僕は勝手に思っている。

 

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・On my Sheep

 中恵光城単独名義でメジャー流通した最初の曲が入ったシングル(違っていたら申し訳ない)だと思うので応援の意味も込めて先頭に貼っておきます。

On my Sheep

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・魔法仕掛けのリゼッタ(セリフ入り)

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