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歌手の話 坂本真綾(buddy、幸せについて私が知っている5つの方法、トライアングラーなど)

 
 この人はおたく的に非常に手堅い存在だ。プラチナから16年、ヘミソフィアから13年、トライアングラーから7年という歴史は小僧の口からでまかせでは動きようがないし、なによりコンテンツには流行り廃りがある中で本当に長きにわたって第一線で活躍し続けているし、ある意味ここで扱ってきたどの歌手よりも何を言っても大丈夫そうなコンテンツとしての盤石さがある。
 少し話は飛ぶけれど、歌手にはキャラクターというものがあって、それは実は歌手にどんな適性があるか以前に聞き手がどんなものを期待しているかという意味合いのほうが大きかったりする。歌わせれば素晴らしい曲になるという確信があってもそれが売れるかどうかはわからないし、イメージの違う曲は黒歴史的な感じで尾を引くか悪ければファンからなかったコトにされるかもしれない。その意味ではファン以外の者にとって最初に目を引く坂本真綾のキャラクター性は、誰もやらないような歌を曲にしていることだと言っていいと思う。
 


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坂本真綾 幸せについて私が知っている5つの方法 Music Video/TV size

 


坂本真綾 / Buddy 【PV】

 

 この二つはなんというか、こういうブログで扱われる為にあるような話題性に富んだ曲だ。
 まず『幸せについて私が知っている5つの方法』はジャンルで言うとドラムンベース的な着眼点の楽曲だ。聞き慣れない言葉だと思うけれど、どういう意味かというと、パーカッションでシンプルな一定のリズムを聞かせ続けることでリスナーにリズムを意識させながら、ベースやギターのような本来リズムキープに使われる低音の楽器は排除されることで、高音主体のメロディーの中でも電子音楽的な規則性(リズムの硬さ)が感じられる楽曲になっている。総合的に見ればふわふわした印象になるはずだ。
 Liaの時の話と近いけれど、あちらはピアノという音が固くてリズム感の強い打楽器が前面に出ている分地に足が着いた感じが強いので、Liaの技術を聴かせるようなより自由な歌唱が可能になっている。これは更にリズム隊がシンプルなので、楽器にぶつからずにボーカルを乗せることはより難しい。もしオケから歌がはみ出せばリズムが崩壊するし、バックがシンプルなら真っ当な技術がないと歌を支えきれない。
 
 『幸せについて』は幸福グラフィティとのタイアップだけれど、buddyは4年前の作品なので一般的な歌手の寿命と照らし合わせると少し古い楽曲になるかもしれない。8年越しで2期が作られたアニメLast Exileとのタイアップで、有名なインディースバンドとのコラボでダイナミックさとリズム感が共存した曲に仕上がっているが、やや難解なキライがあるので、恥ずかしながら僕は3回ぐらい日を開けて聞かないと意味がわからなかった。みなさんはどうだろうか。
 基本的にダイナミックさというのはメタルみたいな低音でジャカジャカやるのでない限りは、ストリング(弦楽器)のようなアタックの弱くて(音が鳴り始めから遅れて大きくなってくる)厚みのある音色の楽器から生まれることが多いが、そうなると必然的にシャープなリズムが感じづらくゆったりと乗る曲になりやすい。この曲はドラムが非常に個性的で、むしろリズム隊が主役って感じの曲にまとまっている分リズムが明確だろう。ピアノも一緒にリズムを作っているのでとても音楽がカラフルだが、曲の中で色々なことをしている分聞く側に理解を委ねる部分が非常に大きい。普通ポピュラーとしては受けない曲だしし、ある意味アニメを見ていれば12回は聞かされるアニソンらしい部分ではある(まあその意味ではこの曲は2クールやっていたんだけど)。
 


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「坂本真綾 COUNTDOWN LIVE 2012→2013 ~TOUR"ミツバチ"FINAL~」ダイジェスト(2:27~2:56 バイク)

 
 坂本真綾がどこからこういう方向を視野に入れ始めたのかははっきりとわからない、というよりループとかプラチナみたいな段階から、シングルのタイトルから珍しい曲まで含めて「不思議な歌」を歌う歌手だったのは間違いないんだが、それは曲の中にわりと不思議な要素が有ってそれが分かる人は聞けるし分からなくてもそんなに違和感なく聞けるぐらいのものが殆どだったと思う。ある意味一瞬で注目を奪っていくような斬新さを前面に押し出して来たのはトライアングラーからじゃないかと個人的には思う、というより、少なくとも僕が坂本真綾の迫力があってきらびやかな歌を聞いたのはトライアングラーが初めてだったし、定点観測していたファン以外の人間にしてみればあの曲には「ここからが本番だ!」的なインパクトがあったんじゃないだろうか。
 


「トライアングラー」 Music Clip

 
  結局のところ、何か器用な点を持つ歌手の難しさはキャラクターを作っていく過程にある。声優の顔が過去の主演キャラであるように、歌手の顔は過去に売れたシングルだ。これからやりたいことと今までやってきたことの間から生まれてくるのが新しいシングルで、それを時間をかけながら別の方向性にずらしていくのは大変なことなのだ。
 普通はこなれた技術を持つ人ほどキャラが薄いと思われて注目されることはない中で、ある程度ポピュラー的なキャラを持った状態でデビューしてからそこを突き詰めていく一般的な声優や歌手と違って、子役からの吹き替え声優からのアニメ声優からの俳優そして歌手というサラブレットのような経歴を持つ坂本真綾は、技術やセンスが他人に認められて歌手として活かされるようなステージを自ら作り上げたと言える。
 ファンの人からすればここにあるようなものよりもっと坂本真綾らしいしっとりとした曲がいくらでもあるだろうという感じかもしれないけれど、僕のような単に面白いことが好きな人間にとって、彼女のような人が斬新さに安全着地したような曲を世に送り出してくれること程嬉しいことはないのだ。
 

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 ・幸せについて私が知っている5つの方法

電子音楽的なシンプルさの中に柔らかさのある曲。メロディーは難しさはないけれど、オケのシンプルさをボーカルからも後押しするようなリズミカルな歌唱を求められるという音楽的に高尚なところがある。

幸せについて私が知っている5つの方法

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・色彩 

上記のカップリング曲。他とは少し毛色が違い、平易なリズムとメロディーの上でボーカルと弦の掛け合いを聴かせるようなメロディアスさを基調とした曲になっている。

色彩

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・Be mine!

シンプルな音楽の中にボーカル曲としては少し変わったメロディーが入ってる。ギターとベースが曲を作ることでロックとして聴きやすく、最近のこの系統の曲の中ではわかりやすいけれど、そうは言ってもどことなく難しい部分があるだろう。

Be mine!

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