試しにアニソンを聞いてみる。

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アイカツの音楽を聞いてみた感想 その4(荒野の奇跡、STARDOM!、Bon Bon Voyage!など)

 白銀リリィがS4になる夢は叶わなかいませんでしたが(正直リリィか有莉ちゃん先輩がS4になるものとばかり思っていたのであの顛末にはかなり驚きました)、とにかくリリィは無事アイカツシステムに認められ(?)スタープレミアムレアコーデを手にしたわけなので、記念に記事を一つ捻り出してみることにします。

 

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(荒野の奇跡)

 Dreaming birdのときもそうだったが、この曲の素晴らしいところは端的に(歌の派手さに比べると)歌唱が容易であるところにある。女児向けコンテンツであること、歌い手がアイドルであり歌の畑出身者ではないかもしれないこと、しかし白銀リリィという個性的なキャラクターの新曲であるからには荘厳な楽曲に仕上がらなくてはならないこと等様々な要素を突き合わせた結果、それらを見事にまとめあげた作編曲のプロの技がそこにはある。特にBメロの変則的なパートがサビに向かって綺麗に収束していく様は美しいとしか言いようがない。

 因みに関係ない話なんだが、個人的には白銀リリィの出番がS4以外の元2年生キャラの中でも多い理由は、相手が目上であれ目下であれどんな相手に対してでも敬語なのでキャラのブレに悩まされることがなくあらゆるキャラと相対することが出来るある種の便利要員だからなのではないかという持論を1期の頃から個人的に展開しているんだが、こんなネットの隅の隅まで検索エンジンを遡ってこの記事にたどり着いた皆様はこの意見に関してどうお考えになるだろうか。3人の留学とともに出番は減っていくだろうが、個人的にはゆめちゃん世代の元4人の中ではあこちゃん推しなので、展開が進むにつれ似たような理屈で同じ敬語キャラであるあこちゃんが人間関係の便利屋扱いになってギャグ噛ませ要員にならないことを切に願っている。

 

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(STARDOM!)

 事実上の第3期のOPであるSTARDOMは、管楽器や弦楽器を大胆に使うことで柔らかさと華やかさを両立させたような出来の楽曲になっている。個人的に注目しているのはパート分けのバランスの良さで、大雑把に言ってAメロからメインパートがゆめちゃん→ローラ→あこちゃん→真昼ちゃん→(Bメロ)ゆめちゃん→ローラ→サビという構成なっている。因みにアニメのOP版では1分半という時間制限からAメロの後半がカットされ、(Aメロ)ゆめちゃん→ローラ→(Bメロ)あこちゃん→真昼ちゃん→サビという構成になっている(と、思う。因みに管理人は声の聞き分けが先天的に致命的に本格的に本質的に本当に下手なので歌を聞くときは歌い方の特徴や癖から歌い手を割り出している)。歌やオケの上モノばかりではなく、この曲ではリズミカルなAメロのバスの4つ打ちからのBメロでの変化(そしてサビでまた4つ打ちに戻ってくる)と、バスに揃えるように低音部を補っているベースが主体になって楽曲にストーリー性を与えており、なんというかこれまで以上にシンプルに奥行きを感じられる楽曲になっていると思う。

 

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(Bon Bon Voyage!)

 Bon Bon Voyageは名前だけでなく曲としても少しユニークな楽曲だと思う。メロディーを口ずさむだけで違いが分かるほど、他のアイカツの楽曲にくらべ歌にするのにも音源にするのにも必要な技量が高い。特にサビの高音域のファルセットに至ってはEDの音源ではレコーディングエンジニアが手を入れすぎて、ボカロみたいに音の前後関係が歌的にやや曖昧になっている感も否定はできないんじゃないかと思う。恐らく生でこの音源の感じを出すのは難しいだろう。それぐらい曲にするのに必要な技量が高く、こういった曲は無印時代をも通じてアイカツにはあまりなかったタイプの楽曲なのと、個人的には平易な楽曲よりも、難しい楽曲を強引にCDの中に収めに行くような曲のほうが好きなのでこの楽曲のことはわりかし気に入っている。どこでこの楽曲がアニメ内で登場するのか楽しみであるとともに、一度生を聞いてみたくなる楽曲だ。

 

 個人的にエルザフォルテの登場は凄まじい衝撃だった。それまでやや浮いたところのあったS4としてのゆめちゃんの存在を完全に正当化したばかりか、ゆめちゃん達が先へと進む道しるべにもなろうともしている。何より(悪い言い方になるけれど)ゆめちゃんたちよりも歌うまであることは揺るぎようもなく、この記事でも本当は51話の劇中歌になったエルザフォルテの歌うForever Dreamを取り上げようと思ったが、記事を書いた時点で適当な動画がなかったため取り上げることができなかった。(6/7に公式から動画がアップロードされたようです)当ブログでは白銀リリィやゆめちゃん達だけでなく、恐らく今期ラスボスとして長らく君臨することになるであろうエルザフォルテの今後の活躍にも大いに期待しようと思う。

 

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歌手の話 田所あずさ(DREAM LINE、運命ジレンマなど)

 この人は声優出身の歌手だ。声優音楽的なものは今昔問わずアニメソングの中には存在し続ける文脈だけれど、ただ今となっては田所あずさは他の声優歌手とは一線を画す存在になっていると僕は思う。

 とりあえずざっと聞いてみると、音程などにやや乱れが見られる音源がある(特に初期のもの)のがわりと気になると言えば気になるが、CDとして聞くならば恐らく個性を出すために敢えて直されていないものが多いと考えるのが妥当だと思う。彼女の歌を聞くうえで一番重要なのは声を作らない歌唱を気に掛けることだ。ほとんどの声優として有名な歌手は声を作って歌うことにアイデンティティを見出している節があるし、田所あずさのデビュー付近のCDを聞くと若干そういう歌もある。が、彼女の場合は最近のものに近づくにつれ発声という意味で非常に安定感のあるものが増えて来て、ぐっと声優というより歌手の側に寄って来たところに既存の声優歌手との大きな違いがあると思う。もっとも小倉唯や竹達彩奈なんかと比べると悪い言い方ではあるが声優としての知名度に差があるから、CDを出すにあたって声優というより歌手としてのアプローチが増えて来るのは当たり前の話なんだが、それにしても田所あずさは今となってはそれなりにアニソン歌手として技術を誇れるような歌い手になったと思う。

  

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【田所あずさ】1stSingle「DREAM LINE」PV short ver.

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田所あずさ / 純真Always - MV Short Ver.

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田所あずさ / 5th Single - 運命ジレンマ - Music Video Short Size

 

 田所あずさは声優なので初期の楽曲は非常に声優音楽的なアプローチの楽曲が多かった。今でもそうした傾向は曲の中にあるものの、セカンドアルバムのIt’s my CUE.前後から徐々に傾向が変わり始め、今やロックシンガーとも呼べるような存在になったと思う。それぐらい、ロックと声優音楽のハイブリッドとでもいうような楽曲が増えて来た。

 田所あずさは声がいいし素材がいい。あとは正統派の歌手として殴り勝つ地力が付けばしっかりとものになると思う。何度も言うようだけど声優上がりなのに声はしっかり前へ出てるあたりが他の声優歌手とは違うなと思わせるところで、ようつべでライブ音源(かは弄られている可能性もあるので厳密には分からないが、とりあえずライブ音源風な何か)を聞いたときは正直大したことのない歌手だと侮っていたので焦りから全身の毛穴から汗が噴き出てくるような思いがした。まあざっくり言ってその程度には実力のある歌手だ。

 アニメソングであるということは普通のJPOPとの距離感を何かしらの方法で生み出す必要がある(いくらアニソンがJPOPに近づいてきたという雰囲気があるとは言え、未だ同じものとはいいがたい距離感が両者の間には存在していると僕は考えている)。その距離感の根拠が技術面だったり作編曲面だったりと、まあいろいろあるわけだが、アニソンに共通して言えるのは流行りよりも歌い手の個性やキャラクターを大事にしているという事だ。田所あずさは最近のJPOPでは流行らないような種類の正統派の歌唱を持った歌い手だと言えると思う。個人的にはTRUEや鈴木このみみたいな地力で殴って来る歌手と少し印象がダブるところがある。曲に共通性は少ないが恐らく歌唱には共通性があって、地声(紛らわしい表現なので、ミックスやファルセットでない声、とここでは定義しておく)で派手に見せようとするあたりが一番分かりやすくそれが表れている個所だと思う。

 上記の二人と一番違うのは難しい歌を歌わないことだ。特に鈴木このみは歌の難しさだけで言えば邦楽全体で見てもずば抜けているような圧倒的な存在感があるし、TRUEも余裕のあるところで実力を見せびらかす余地のあるようなファンタジックで独特の世界観を持つ曲を好む傾向があると思う(ユーフォのタイアップは少し方向性が違うけれど)。彼女らに共通しているのは実力を示す方法として積極的に作編曲からのアプローチを行っているということで、他方田所あずさの曲はもっと無難で標準的なロックが多い。まあそれで成功しているのだから言う事はないけれど、個人的にはアニソンと言えば歌手に実力並みかそれ以上の難しい歌を歌わせてそれをエンジニアがCDに収めるというものだという印象があるので(失礼)、田所あずさのような、まあこの歌手がこの曲を歌えばこうなるだろうなという自然な聞きどころのある音源は一周回ってやや新鮮ですらある。まあそれぐらい今のアニソンというのは全体として難しい歌の方に傾倒しているということでもある。

 今後田所あずさが鈴木このみカーストに名を連ねることはないとは思うが、アニメソングならば一応その方向も考えておいて損はないんじゃないかという期待を持たせるような、難しい歌も万能にこなせるような能力をもった歌手なんじゃないかと思うし、もしその方向性で当たれば、アニソンの世界にまた一人逸材が舞い込んで来たという歓迎を受けるような歌手にもなれるんじゃないかなーという感想を(あくまで個人的には)抱いた。4/26発売予定のDEAREST DROP(ようつべに公式MVが上がっている)を聞くに、自分自身の歌をまだ少しコントロールしきれていない点もあるということと、今後は今までとは違った方向性の曲で売り出していく可能性も感じさせるものの、何れにせよ現段階である程度の地力があるだけに今後が楽しみな歌い手だ。ついでに個人的に推しているアニメアイカツでの声優としての活躍にも引き続き期待したい。

 

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歌手の話 鈴木このみ(Absolute Soul,銀閃の風,Beat your Heartなど) - 試しにアニソンを聞いてみる。(Lia→ここ→鈴木このみにしました)