試しにアニソンを聞いてみる。

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アイカツの音楽を聞いてみた感想 その5(Summer Tears Diary、MAKEOVER MAKEUP、Forever Dreamなど)

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(Forever Dream)

 

 でんぱ組からの参加である相沢梨紗の単独の歌唱による楽曲は、Bon Bon Voyageとは対称的に、無印時代の前例を含めても非常に歌唱の簡単な楽曲になった。特徴は低音域が存在しないことと、サビの張りつめたような緊張感のある歌唱だと思う。技術的な原因からそうなっているのかそれともわざとやっているのかちょっと分かり辛いが、まあ少なくとも聞いている限りそこまで破綻はない範囲での表現として聞ける程度の乱れだと思うし、極端に素直な楽曲なので小技を使わないと冗長に聞こえるであろうことも考えるとこれが正しいレコーディングなんだろうと思う。

 今クールの間はゆめちゃん達をリードする存在となるであろうエルザフォルテだけど、設定上はどうあれ実際に歌が飛び抜けて上手いということはないように聞こえる(Bon Bon Voyageはかなりの部分がエンジニアの力のはずなので……)。とは言え声には相対的に力があり、歌によっては多分に聞きようのある仕上がりになるであろうことは予想がつく。現在出揃っている音源からの個人的な印象としては、歌の技術的には、強いて挙げれば白銀リリィぐらいかそれより少し劣るかぐらいになるかなと思う。

 

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(Summer Tears Diary)

 Summer Tears Diaryはロングトーンと強拍の関連性が明白で、歌い手にとってはボーカル音楽として非常に素直に歌い方の方向性がつかみやすく、そしてその分聞き手に実力を見せつけることが出来る楽曲だ。このような楽曲に対峙した時、歌い手は地力でねじ伏せるか小技を使って冗長でないように見せるかの選択を迫られる事が多い。どうしても声の艶やかさと音程で歌に「持っていきがち」な夜空先輩に対して、真昼ちゃんは地力で殴れるだけのモノがあって、結果的に彼女のソロは非常にシンプルかつダイナミックで聞き映えする音源に仕上がっている。

 真昼ちゃんの歌に特徴的なのが発声の鋭さだ。 声質のよさでは夜空先輩に分があると感じる人が多いかも知れないが、声の出方については真昼ちゃんよりも正しい歌い手は無印時代も含めてアイカツには存在していないと思う。(何というか童謡歌手のような正しさがある印象を受けますね)

 

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(MAKEOVER♡MAKEUP)

 

 MAKEOVER♡MAKEUPは低音域がやや硬めな音色のキックと緩やかなベースのみで構成された透明感と浮遊感のあるトランスだ。メインメロディーは誰が歌っても無難な仕上がりになりそうなシンプルさを持ちつつややCDに収めるのは難しいところのある楽曲で、特にオケに負けないキラキラとした響きを歌に乗せる為には正しい発声法や歌唱法(もしくは、存在感を増すためのハモリやユニゾンやダブルトラッキングのような工夫)が必要になってくる。そこをクリアできないとどうしてものっぺりとした平たい歌になりがちだが、他方で低音域を抜いてボーカルの動きを目立たせている作り上、ボーカルに手を入れすぎて演出過多になっても返ってボーカルの所在がわかりづらくなって楽曲としての焦点がぼやけてしまう危険性を孕んだ、少しバランスのとり方の難しい一曲でもある。

 オケを含めたパッケージング的にはTSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~を思わせるような、乙女トランス? とでも言うような簡明な分りよさを持った楽曲に仕上がっていると思う。

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(TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~)

 TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~はパッケージング的には非常に完成度の高い楽曲だ。メロディーライン、装飾共にシンプルだが、ボーカル的に見ると実力を撒き散らす余地の意外に少ない楽曲でもあるので、どうしても声質や小技といった小器用さやユニットの魔法がものを言う楽曲になりやすい。真昼ちゃん一人だとスッキリしすぎていて少し物足りなさを感じさせるところがあるし、姉妹verだとより良い音源に仕上がっているように聞こえる。

 

 香澄真昼の歌唱(本来なら星咲花那の歌唱と言うべきところかもしれないけれど、ゆず先輩との間で明確に「歌い分け」がなされている以上、キャラをして独立した歌い手として扱ってしまいたい)の特徴としては、素直で真っ直ぐな発声、軽い滑舌、乱れのない正確な音程、リズム等と非常に卒のなく聞きどころのある歌を歌う。引っくるめて言えば、かなり「歌の上手い歌い手」だ。歌モノ企画の中にはどうしても歌が上手いとされるキャラクター(アイマスの千早ポジのキャラクター)がいて、それが実態を反映していたりしていなかったりする。アイカツで言えばそうしたポジショニングのキャラクターとして歌組のひめちゃん先輩やローラが挙げられると思う(人によっては白銀リリィやエルザフォルテなんかもそこに加えて考えているかもしれない)が、真昼ちゃんにはそうした歌い手達よりも、少なくともCD上では格段にシンプルで卒のない歌を歌う技術があるので、もし良ければ、こんなネットの片隅まで流れ着いたのも何かの縁だと思って注意深く聞いてみて欲しい。

 アイカツは200話近い話数を重ねることから必然的にキャラクターの成長を描くことに重きをおいたコンテンツになりやすいが、ゆめちゃんやローラが順調に精神的成長を遂げているなと思う一方で真昼ちゃんは最近ぐっと大人っぽい魅力を身に着けてきたように感じる。たまに出るたびに新曲を歌うのも注目度を上げているポイントで、今後ますます目が離せないキャラクターになって行くことだろう。

 

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 ところで、8月17日、24日はアイカツ5周年を記念してアイカツとスターズのコラボ企画をやるらしいですね。個人的にとても楽しみにしています。

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