試しにアニソンを聞いてみる。

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アイカツの音楽を聞いてみた感想 その3(Dreaming birdの続き,TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~,スタージェット!など)

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(スタージェット!)

 スタージェットはベースとピアノとハイハットシンバルを主体とした軽快なオケが特徴的な楽曲で、中でもボーカルを圧迫しやすい音域(主に中音域から低音域)のボリュームが他の楽曲と比べると抑えられている点が特徴的だと言える。ボーカルと激しくぶつかりあうことがネックになりやすいギターとドラムが控え目なことでボーカルがくっきりと聞こえやすく、ボーカルがくっきりと聞こえやすいのであまり弄り回す必要もなく曲全体がシンプルな構成になっている。ピアノという楽器も音域で言えばボーカルと被ることがネックになりやすいが、この楽曲では軽快なタッチでボーカルを圧迫するという問題を解決している。

 このように楽器を選別したり使い方を工夫することは歌い手の「声」を聞かせる意味ではとても重要なことで、特にアイドル音楽のような「歌専門」でない歌い手にとっては声がオケの陰に隠れない為に重要な配慮になる。ひとつ前のOPであった1,2,Sing for You!はギターとドラムがオケの主役だったので、ある意味では対照的なつくりの楽曲だと思う。

アイカツスターズ!ミュージックビデオ『1,2,Sing for You!』をお届け♪ - YouTube

 

 

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(TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~)

 TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~は香澄姉妹の担当する幾何学的な(?)トランスだ。特にラストの間奏地帯への繋ぎは一見の価値があると思う。姉妹という設定なだけあって二人の歌声はとても相性が良く聞き心地がいいが、個人的には艶っぽいところのある夜空先輩の歌よりは真昼ちゃんの歌声がシンプルで好みだ。設定自体はいろいろあるだろうけど、実際の技術面だけで言えば恐らく一年生4人の中でも一番なんじゃないかなと思う。

 

 

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(So Beautiful Story)

 26話からのエンディングであるSo Beautiful Storyに関しては個人的にとても複雑な思いを抱いている。アニメを見ていると自然とひめちゃん先輩とゆめちゃんがそれぞれソロで歌っているのを聞く機会があるが、両者ともそれほどの違和感はなかった、どころかとても良くまとまったいい音源だったと思う。相性の良しあしの問題なんだろうけど、ユニゾンになった途端歌としてのまとまりが失われてしまっている気がするし、合わせるにしてももう少し他にやりようがあったんじゃないかという気がしてならない。

 

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 アキコレが発売になってこのブログでかつて言及したDreaming birdの全容が明らかになった。やはりリズムと歌詞に一癖も二癖も特徴のある楽曲で、楽曲にリズム感を与えるのはメロディーやオケだけではなく歌詞もであるということが伝わってくるような楽曲になっていた。やや遠巻きな話になるが、特に日本語は英語などと比べると母音の多い言語なので、歌詞によって強制的にリズムを作らされる割合が多いわけだが、その言語的な性質がむしろ多くの場合邦楽にリズムの平坦化を招いている。母音で強制的にリズムを刻まされる分韻を踏んだりアクセントの強弱を使い分ける余地を奪われるわけだ。洋楽の楽譜を見て音符の量と質を比較すると分かるように日本語の歌は、一音節につき一つの音符を用いるという制約が付いて回る上にその音節が非常に細かい。例えば「自動販売機」という単語は8語なので8音節だが、vending machineという単語は14レターで4音節。しかも、英語の歌は日本語と異なり一音節に1音符ではなく一単語に1音符なので、これで音符2つ分ということになる。ようは、邦楽というのは往々にして音符が多い事でリズムを圧迫されてグルーヴ感を構成する余地を逆に奪われるということだ。

 そんな遠巻きな話をして何を言いたいのかというと、この楽曲の特徴は、その言語的な制約を、寧ろリズムに変化を加える要素として利用している点にあると個人的には考えている。具体的には先日述べたとおりだけれど、単語の間にブレスが挟まれていたり休符が挟まれている点がそれに該当する。特に2番の歌詞ではそういった性質が更に派手に利用されており、離れ離れになったフレーズが言葉でつなぎ留められ巧妙なリズム感が演出されている。芸術的な雰囲気さえ感じさせる大サビのピアノは、これがshortで聞けないことが残念になる程だ。気が向いたら是非とも聞いてみていただきたい。

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