なかなか次のが書けなくて申し訳ないです。今回は新譜（？）のレビューになります。分島花音のLove your enemiesと、綾野ましろのearly daysです。
・分島花音/Love your enemies
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9つ目のシングルは派手にオーケストラルな仕上がり、というよりはそのままオーケストラが大活躍する楽曲だ。WIXOSSの主題歌ということでkilly killy jokerとworlds end, girls rondoに続くような曲のイメージが大切にされていると思うけれど、これまでになく特徴的なのは管楽器がいることで、ストリング（※）的な柔らかさというより金管楽器が含められた管弦のキラキラした音楽のイメージに近づいていることだと思う。
ボーカル曲としてはとても簡明で聴きやすくて個性が素晴らしく活かされていると思う。高い音には派手にミックスの声が使われており、この高さ独特の力強さと辛さが楽曲全体に内包されていて自然な説得力がある。裏声を混ぜた声の付近からスタートして更に高い方に2オクターブ近い音域が収まっているが、広さどころか狭さすら感じさせないようなこの完成度には個人的には舌を巻かざるを得ない。youtubeになんとフルコーラスのPVを含め幾つか試聴用の動画が上がっているので、詳しく聞きたい人は探してみて欲しい。今後やこれまでのアニソンロックを技能的な面から象徴するような楽曲として一見の価値はあるだろう。
・綾野ましろ/re:rain
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メジャーデビュー前の楽曲を含めて編集されたコンセプトアルバムであるearly daysから。re:rainは綾野ましろらしい安定感とでも言うべき部分が前面に出た曲だ。楽曲の内容としては、メロディーにシンコペーションが多用されているほかオケにも少し変化がありリズム的に複雑だ。綺麗に歌うのが難しい系統の曲だが、彼女の曲の多分にもれずとても丁寧な音源に仕上がっていて、発声とかそういう部分とは少し違うところでのポピュラーミュージック的な精度から、安心しながら聞くことが出来る仕上がりになっている。
・RAY OF LIGHT
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綾野ましろの曲はシンプルに聞こえてもどことなく不思議なところがある。この曲の場合は2,4拍にドラムのアクセントが乗っかっているため（まあ上のもそうなんだが）、実際のテンポよりも少しスピーディーな曲に聞こえると思うし、ここに歌をのせるのにはやはりセンスが要るというような楽曲になっている。ただ他の曲と比べればかなりシンプルで、表拍から入るロングトーンが多く、特にサビは藍井エイルの楽曲に近いような聞き心地がする部分がある。こういう素直なところのある曲でも印象的な歌を作ることが出来るのはCDで売る歌手としてとても重要で素晴らしいことだと個人的には思う。
分島花音の音源に関しては別の記事で人によっては少し言い過ぎに感じる部分もあるだろうことを書いたばかりだけど、Love your enemiesに関して言えば素直に聞けるという意味で凄く出来が良い。なんというか歌っているところがCDの向こう側に見えて来るような自然さがあり、この難易度の楽曲をこんなふうに歌うのは分島花音にしか出来ない技だなと思わせる音源になっている。綾野ましろのearly daysは、従来通りテクニカルな楽曲が落ち着いた歌に収まっていて、さすがと言わざるを得ない出来だった。両者とも、こうした楽曲をこれからも歌にしてくれるのなら、1リスナーとしてこれ以上有難いことはないなという印象だった。…次はどんなタイアップからどんな楽曲が出てくるんだろうか。
※ストリング…弦楽器
・歌手の話 綾野ましろ（ideal white,vanilla skyなど） - 試しにアニソンを聞いてみる。
・歌手の話 分島花音（killy killy joker、worlds end,girls rondo、無重力など） - 試しにアニソンを聞いてみる。
・歌い手の話 カテゴリーの記事一覧 - 試しにアニソンを聞いてみる。
