試しにアニソンを聞いてみる。

ボーカルの視点から音楽を聞いてみる。/お勧めのアニメ系歌もの、アイドルもの、バンドもの企画あったらツイッターで教えて下さると助かります/・歌手の話まとめ→https://goo.gl/VN63Wb/コンテンツの使用などに関して問題があれば撤去しますのでお伝え下さい。ご連絡はhttps://twitter.com/yfyamvまで

コメントを一つも頂かずに20000アクセスを超える実績を解除した記念に小話でも

 はてなブログにブログを開設してから一年と三ヶ月余り、このブログを始めたときにはまさかこんなことになるとは思いもしませんでしたね。一体どれだけATフィールド全開なのかと。特にボカロの記事がバズって2日で1500PVぐらい人が押し寄せてきていた時には誹謗中傷の一つぐらいあっても良かったはずなんですが……なんというか適度に意味の分からない感じが功を奏して(?)未だにどの記事にもコメントが付いていない状況です。そんなわけで、記念に久々に記事を更新してみることにしました。どうせならこのまま「凄いんだけどちょっと妙」を目指していけるところまで行ってみるとしましょうかね。

 

 そういえば先日NHKでベストアニソン100なる企画が行われておりましたが、何というかNHKらしい素晴らしい茶番でしたね。呼ばれてきていたのは水木しげる、ささきいさお、高橋洋子などの大御所に加えて仕事のなさそうな若手実力派(?)アーティスト、さらにアイドル枠のi ☆Risなどで、特に目立った活躍をしていたのはきただにひろしと喜多修平だったんですが、実際にベスト100に選出されたアニメは新旧入り混じっての波乱のランキングでしたが(詳しくはこちらを)、実際にゲストにライブで歌われたのはやはりというか、いろいろとNHKと馴染みの深いμ'sのSnow halationと司会進行役のしょこたんの歌った空色デイズを除くと宇宙戦艦ヤマトや勇気100%、ムーンライト伝説など古風で硬派(?)な選曲ばかりで、本当にネット投票にした意味があったんだろうかというような感じです。同じ投票で選出されていたETERNAL BLAZEやShangri-Laを歌うだけでも全然番組としての仕上がりは別のものになっていたと思いますし、あのNHKの頑なに最新の流行りのものを微妙に避け続ける古髄なスタンスは一生変わらんのかなあと思うとちょっと残念です。

 そして何よりNHKならではの、プリエンコーディング音源(ライブのふりして事前に録音したものをスピーカーから垂れ流すやつ)どころか被せ(プリエンコーディング音源を裏で流しながらそこに実際のライブの音源を混ぜる方法)すらない完全な生歌が披露されていたんですが、出来はというとやはり生なりのクオリティになっていて、しょこたんや高橋洋子は想像以上の出来栄えで驚かされましたが、特にi ☆Risの歌はちょっとというかだいぶ酷かった……。NHKはあくまで生歌にこだわるつもりなんでしょうから、録音が流れるライブよりクオリティの面で劣るのは仕方ないにせよ、この内容なんだったら上手い歌い手さん(ニコニコ的な意味での)とかを呼んでonly my railgunでも歌わせていた方がましだったんじゃないかなと思わされました。まあ事務所に所属していないと放送に出演できないNHKのシステム側の問題もあったんだと思うんですが、それにしても全国ネットであの内容はもうちょっと考えた方がよかったんじゃないかなと思います。

 

【さみしい女子が】ドロボウナイトトリック 歌ってみた【PartyNight】

(ドロボウナイトトリック a☆ru)

 歌い手と言えば、ニコニコ動画に歌い手さんと歌手の技量を比較してみた的な動画がアップロードされているのを先日見かけたんですが、内容としては完全に歌い手を貶めるために歌い手の「やっちゃった」音源と上手い歌手の音源を比べるという趣旨であると思われるのですが、その「上手い歌手」枠の歌手の人選が、いかにも素人が上手いと勘違いしがちな実際には大して上手くもない歌手ばっかりで、なんというかそれを見て以来僕の中には歌い手に対する同情のようなものがずっと存在しています。具体的には、歌い手は不当な批判を受けているのではないかと。

 歌い手さんが嫌いな人には便宜的には二種類あって、本当に歌に精通していて歌い手さんの歌とは別のところから来るアイドル的な人気が許せないという人と、歌に精通してはいないが歌に精通しているふりをしたいがために理屈もわからず歌手を持ち上げて歌い手を叩いている(もしくは歌に精通してないが故にプロではない歌い手をどう扱っていいかわからない腹いせに歌い手を叩いている)人がいると思うんですが、実際に歌い手さんを叩いている人の人口比で行くと1:9.5ぐらいで後者の割合が多い気がしています。確かに僕もななひらさんや松下さんなんかのアイドル的な歌い手の歌う歌や彼女ら自身のちやほやされっぷりには「かなり」気にくわない部分がありますが、この機会に断言しておくと、皆さんが思っているよりずっとプロの歌手の生歌は下手で、名も知れぬ歌い手達は上手なんですよ。

 近年の特にアニソン歌手や声優歌手界隈はレコーディングエンジニアの弄ったCD音源と生歌の差が激しいという状態が続いていますから、ライブなんてほとんど録音か被せが主流ですし、プロの生歌を聞く機会なんてなかなかないと思いますが、NHKが折角紅白やこうした企画で生歌を発信してくれているのだから、歌い手を必要以上に叩いている人たちはもうちょっとプロの生歌から学ぶことがあってもいいんじゃないかと思いますし、歌い手さんの歌を聞くときはそれがプロのエンジニアに弄られたものではないことを念頭に置いておかないと、見当はずれを起こす原因になると思います。プロの音源なんて8割がたエンジニアが「作っている」と言っても過言ではないもので溢れかえっているわけですし、少なくともアニソン歌手や声優歌手の生歌を聞いて「生だな」と分かる人でないと、歌い手さんを技術的な面から批判する権利はないんじゃないかなと僕は思っています。そしてそれが分かる人の少ないことよ……。

 ここまで歌い手さんを援護するような事を言っておいて難ですが、そういう僕は歌い手さんに対してどういう立場を取っているかというと、上手い人もいるのに歌が下手な人ばかりアイドル的な人気を博していて意味わからんし理不尽な世界だなあ……といった感じです。まあ傍から見たら先方も僕も同じ穴の狢なんでしょうね。

  ちなみに歌の世界で歌い手というと、物書きのことを書き手というのと同じくプロアマ問わず歌を歌う人のことを指しますが、今回の記事に限ってはニコニコやようつべで話題になっているアマチュア歌手のことを指して歌い手と称しています。この用法には違和感がある人もいると思うんですが、何卒後了承ください。今日はこんなところで。

 

アイカツの音楽を聞いてみた感想 その3(Dreaming birdの続き,TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~,スタージェット!など)

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(スタージェット!)

 スタージェットはベースとピアノとハイハットシンバルを主体とした軽快なオケが特徴的な楽曲で、中でもボーカルを圧迫しやすい音域(主に中音域から低音域)のボリュームが他の楽曲と比べると抑えられている点が特徴的だと言える。ボーカルと激しくぶつかりあうことがネックになりやすいギターとドラムが控え目なことでボーカルがくっきりと聞こえやすく、ボーカルがくっきりと聞こえやすいのであまり弄り回す必要もなく曲全体がシンプルな構成になっている。ピアノという楽器も音域で言えばボーカルと被ることがネックになりやすいが、この楽曲では軽快なタッチでボーカルを圧迫するという問題を解決している。

 このように楽器を選別したり使い方を工夫することは歌い手の「声」を聞かせる意味ではとても重要なことで、特にアイドル音楽のような「歌専門」でない歌い手にとっては声がオケの陰に隠れない為に重要な配慮になる。ひとつ前のOPであった1,2,Sing for You!はギターとドラムがオケの主役だったので、ある意味では対照的なつくりの楽曲だと思う。

アイカツスターズ!ミュージックビデオ『1,2,Sing for You!』をお届け♪ - YouTube

 

 

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(TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~)

 TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~は香澄姉妹の担当する幾何学的な(?)トランスだ。特にラストの間奏地帯への繋ぎは一見の価値があると思う。姉妹という設定なだけあって二人の歌声はとても相性が良く聞き心地がいいが、個人的には艶っぽいところのある夜空先輩の歌よりは真昼ちゃんの歌声がシンプルで好みだ。設定自体はいろいろあるだろうけど、実際の技術面だけで言えば恐らく一年生4人の中でも一番なんじゃないかなと思う。

 

 

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(So Beautiful Story)

 26話からのエンディングであるSo Beautiful Storyに関しては個人的にとても複雑な思いを抱いている。アニメを見ていると自然とひめちゃん先輩とゆめちゃんがそれぞれソロで歌っているのを聞く機会があるが、両者ともそれほどの違和感はなかった、どころかとても良くまとまったいい音源だったと思う。相性の良しあしの問題なんだろうけど、ユニゾンになった途端歌としてのまとまりが失われてしまっている気がするし、合わせるにしてももう少し他にやりようがあったんじゃないかという気がしてならない。

 

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 アキコレが発売になってこのブログでかつて言及したDreaming birdの全容が明らかになった。やはりリズムと歌詞に一癖も二癖も特徴のある楽曲で、楽曲にリズム感を与えるのはメロディーやオケだけではなく歌詞もであるということが伝わってくるような楽曲になっていた。やや遠巻きな話になるが、特に日本語は英語などと比べると母音の多い言語なので、歌詞によって強制的にリズムを作らされる割合が多いわけだが、その言語的な性質がむしろ多くの場合邦楽にリズムの平坦化を招いている。母音で強制的にリズムを刻まされる分韻を踏んだりアクセントの強弱を使い分ける余地を奪われるわけだ。洋楽の楽譜を見て音符の量と質を比較すると分かるように日本語の歌は、一音節につき一つの音符を用いるという制約が付いて回る上にその音節が非常に細かい。例えば「自動販売機」という単語は8語なので8音節だが、vending machineという単語は14レターで4音節。しかも、英語の歌は日本語と異なり一音節に1音符ではなく一単語に1音符なので、これで音符2つ分ということになる。ようは、邦楽というのは往々にして音符が多い事でリズムを圧迫されてグルーヴ感を構成する余地を逆に奪われるということだ。

 そんな遠巻きな話をして何を言いたいのかというと、この楽曲の特徴は、その言語的な制約を、寧ろリズムに変化を加える要素として利用している点にあると個人的には考えている。具体的には先日述べたとおりだけれど、単語の間にブレスが挟まれていたり休符が挟まれている点がそれに該当する。特に2番の歌詞ではそういった性質が更に派手に利用されており、離れ離れになったフレーズが言葉でつなぎ留められ巧妙なリズム感が演出されている。芸術的な雰囲気さえ感じさせる大サビのピアノは、これがshortで聞けないことが残念になる程だ。気が向いたら是非とも聞いてみていただきたい。

・アイカツ カテゴリーの記事一覧 - 試しにアニソンを聞いてみる。

 

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